2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592513
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
児玉 悟 大分大学, 医学部, 講師 (40325717)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 謙二 大分大学, 医学部, 助教 (90511171)
能美 希 大分大学, 医学部, 助教 (40468020)
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
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Keywords | 粘膜免疫 / 経鼻ワクチン / 樹状細胞 / 上気道感染症 |
Research Abstract |
経鼻ワクチンは上気道感染症に対して有効と考えられている。本研究では鼻粘膜樹状細胞を標的とした経鼻ワクチン開発のための基礎研究を行なっている。上気道炎の代表的な起炎菌であるインフルエンザ菌のP6外膜タンパクのT細胞B細胞エピトープをコードしているDNAをプラスミドベクターに組み込み、DNAワクチンを作成した。このDNAワクチン単独投与では免疫応答は誘導されなかったため、適当なワクチンデリバリーシステムが必要であった。Immunostimulating complex (ISCOM)は抗原をリポソーム化するワクチンデリバリーシステムであり、安全かつアジュバント作用も有している。DNAワクチンとISCOMを混合し、マウスに経鼻投与した。その結果、マウス鼻粘膜においてP6タンパクが発現していることが明らかとなった。DNAワクチンおよびISCOMの投与量を調整し、至適量を調整した結果、血清中のP6特異的IgGおよび鼻腔洗浄液中のIgAが上昇し、経鼻的DNAワクチン投与により、全身にも粘膜局所においても抗原特異的免疫応答が誘導されたことが明らかとなった。樹状細胞の解析では鼻粘膜樹状細胞の増加およびMHC IIやB7-2発現の増強など細胞の成熟が明らかとなり、T細胞レベルの解析では、Th1およびTh2型T細胞免疫応答が誘導されたことが明らかとなった。今回のDNAワクチン投与により、インフルエンザ生菌の鼻咽腔からの排除も促進された。さらに長期的な効果について検討した結果、免疫終了後6ヶ月経過後も効果が持続し、免疫応答が維持されていた。経鼻DNAワクチンが上気道感染症に対する有効な治療ストラテジーであることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経鼻DNAワクチンにより抗原特異的免疫応答が誘導され、細菌クリアランスを促進させたことは大きな成果である。また長期的な効果について検討した結果、免疫終了後6ヶ月経過後も効果が持続し、免疫応答が維持されていた。経鼻DNAワクチンが上気道感染症に対する有効な治療ストラテジーであることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
経鼻DNAワクチンにより抗原特異的免疫応答が誘導されうる。この経鼻ワクチンによって誘導される防御免疫においては分泌型IgAやTh1型およびTh2型免疫応答が関与している。樹状細胞と他の免疫担当細胞との相互作用についての詳細を検討するとともにTh17細胞の役割、Th17細胞の粘膜免疫応答についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の使用額は申請時当初の使用額とほぼ同額であり、研究計画の遂行もおおむね順調である。研究費交付の遅延により生じた前年度の繰り越し分を当該年度中には執行することはできなかったが、研究計画の最終年度である次年度は研究計画の早期の達成と予算のに執行に務める。直接経費の多くは抗体などの試薬の購入に使用する。
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Research Products
(2 results)