2013 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉症に対する表皮免疫療法の開発についてーTSLPの機能解析を中心にー
Project/Area Number |
23592516
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
寺田 哲也 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60343670)
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Keywords | スギ花粉症 / 免疫療法 / TSLP |
Research Abstract |
本研究はスギ花粉症に対する新規の免疫療法の開発を目的としている。現行の皮下注射による免疫療法の効果発現メカニズムの解明と並行して当該研究を開始している。 Th2タイプのアレルギー性炎症を誘導するサイトカインであるTSLPの機能解析を行い、経皮的パッチ免疫療法が樹状細胞の分化成熟にどのような影響を及ぼし、アレルギー性炎症の制御が可能かどうかの解明、および経皮的免疫療法の臨床応用を目標としている。 本年度の主な研究内容1)免疫療法施行中の患者に対し、効果判定を花粉症日記からの症状スコア、鼻粘膜誘発テスト、皮内テストを施行し、それらの所見とアレルギー性炎症の反映と考えられる遅発相の発赤長径との比較を介して免疫療法の効果発現メカニズムの解析をした。また、経皮的免疫療法を施行する場合の皮膚発赤反応との対比を行うための基礎データとして発赤長径を即時相、遅発相ともに経時的に計測を行った。 2)慢性副鼻腔炎の手術時検体を用いて樹立した繊維芽細胞を継代培養し、その繊維芽細胞から産生されるTSLPとその産生に及ぼすステロイドの影響を検討した。TNF-αとIL-4の相互作用にて繊維芽細胞からTSLPが産生され、DexamethasoneはTNF-αとIL-4誘導性のTSLPを抑制することが分かった。以上の解析を終了後に臨床応用にむけての検討を始める予定であったが少々実施が遅れている。経皮的免疫療法が副反応なく効果を示すことが可能かどうかを、客観的に判断できる花粉曝露室を用いてスギ花粉症ボランティアに対し施行していく予定である。経皮的免疫療法が可能となれば在宅治療の可能性にもつながり、臨床的治療法の選択肢が広がることが期待できる。
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Research Products
(1 results)