2011 Fiscal Year Research-status Report
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23592517
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 博充 北海道大学, 大学病院, 助教 (10455652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 明宏 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30312359)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | microRNA / p53経路 / RB |
Research Abstract |
1.頭頸部正常扁平上皮および癌組織からのDNA,RNAタンパク質抽出生検、手術で得られた検体を凍結保存し、-20度の状態で凍結切片を作製する。これをヘマトキシリン・エオジン染色後、病理医により光学顕微鏡下にその組織型を確認する。さらに連続切片をヘマトキシリン染色のみ行いLasermicrodissection法を用いて当該組織のみを採取し、DNA, mRNA, タンパク質をそれぞれ抽出する。また同一組織から異なる癌蜂巣を個別に抽出した。現在のとこと抽出したRNAからマイクロRNAの網羅的解析を行なっている。2.マイクロRNAの発現比較がん組織と前がん組織であるinverted papillomaのマイクロRNA解析では大きな発現差のある多数のマイクロRNA が同定され、またこれらが、発がんに関与するp53、RB経路にあるPTENやP21を制御することがわかった。現在は頭頸部癌細胞株を用いてこれらのマイクロRNAが実際にPTENやP21の発現を制御しているかどうかについてトランスフェクションにて当該するマイクロRNAを組み込みコントロールとの比較でそのタンパク質レベルでの発現を比較している。3. 免疫染色法による当該分子のタンパク質発現更には10例を超える上顎癌の手術標本における当該分子の発現を、おもに免疫染色法で比較している。候補遺伝子のなかでエストロゲンレセプターは残念ながら癌とその前癌病変では発現差を認めなかったものの、PTENやP21では大きな発現差を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画ではプロテオーム、ゲノム解析を先に考えていたものの、まずはマイクロRNAの解析を行なっている。マイクロRNAは種類は600程と少ないものの、大きな発現差を持ったものを多数同定できた。これにトランスクリプトーム解析の結果を加えて更に解析を加速させている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き抽出したサンプルからのトランスクリプトーム解析を続けていき、マイクロRNAの発現差との整合性と見つけていく予定である。得られた結果からは頭頸部癌細胞株を用い、当該分子の発現量の変化に伴うシグナル伝達に関する分子の発現・及び活性の変化を定量する。当該分子のシグナル伝達、上皮間葉移行などに与える影響等の機能を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
膨大な量のデータをバイオインフォマティクスアプローチにより解析する。従来の多変量解析のほか、階層的クラスター分析、機械学習法、自己組織化写像法を用いて検体の組織特異性、臨床的背景に応じて変化する分子を遺伝子、タンパク質レベルで層別化する。またここから得られた遺伝子発現をPathway Assist等のソフトウエアを利用して分子の相互関係を明らかにし、シグナル伝達機構に関連が報告された遺伝子群の発現を解析する。抽出したmRNAはcDNAmicroarrayチップを用いてその発現を数値化する。チップにはAffymetrix社のマイクロアレイチップサンプル用を使用予定。またRNA抽出キット(プロテオーム解析試薬等)も購入予定である。研究成果は国内、海外(トロント)の学会で発表をおこなう。未使用額については、当初、初年度に予定していた海外研究機関への検査委託費、及び試薬、解析処理に必要な専用ソフトなどの消耗品の購入に充てる予定である。
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