2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592517
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 博充 北海道大学, 大学病院, 助教 (10455652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 明宏 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30312359)
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Keywords | シグナル伝達 / 頭頸部癌 / リガンド / EGFR |
Research Abstract |
背景:各種癌においてその増殖に関わるシグナル伝達機構が徐々に明らかとなり、そのパスウェイの制御が癌治療に応用されて各シグナル系に応じた分子標的薬が開発されてきている。セツキシマブは既に欧米では頭頸部癌治療における分子標的薬として標準的な薬剤として認知され、本邦においても頭頸部癌における臨床治験が始まっている。しかし、他の抗腫瘍薬と同様に長期投与において耐性化することも明らかとなってきた。今回我々はEGFRのリガンドの発現とセツキシマブ感受性への影響と、さらにこれらのリガンドをターゲットとするmicroRNA発現を検討した。 方法:セツキシマブ高感受性頭頸部癌細胞株SCC1とその耐性クローンである1Cc8を用いて、各リガンドの発現とセツキシマブ耐性への影響を比較した。 結果:HB-EGF, Amphiregulin, TGF-βがセツキシマブの感受性に影響を与え、さらに耐性株では親株に比べHB-EGF, TGF-βの発現が亢進していることが確認された。なかでもHB-EGFは少量でもセツキシマブの耐性化を起こし、その下流のパスウエイの活性化を起こすことが確認された。HB-EGFノックダウン株は高いセツキシマブ感受性を示し、患者血清中、癌組織中のHB-EGF濃度は初診時より再発時で高かった。miRNA212は耐性株で低値を示し、HB-EGFの発現を制御していた。 結論:セツキシマブの耐性化にはリガンドが強く関与しており、またこのリガンド発現の制御にmicroRNAが関与していた。リガンドの発現はセツキシマブ感受性のマーカーとして有用と考えられ、さらにはmicroRNAを分子標的とした治療は、頭頸部癌治療における新たなブレイクスルーとなることが期待される。
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[Journal Article] Regional control after concomitant chemoradiotherapy without planned neck dissection in node-positive head and neck squamous cell carcinomas.2013
Author(s)
3. Sakashita T, Homma A, Oridate N, Suzuki S, Hatakeyama H, Kano S, Mizumachi T, Onimaru R, Tsuchiya K, Yasuda K, Shirato H, Fukuda S
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Journal Title
Auris Nasus Larynx
Volume: 40
Pages: 211-215
Peer Reviewed
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