2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを用いた頭頸部癌の画期的な診断・治療法の開発と臨床応用
Project/Area Number |
23592520
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
志賀 清人 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10187338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小玉 哲也 東北大学, その他の研究科, 教授 (40271986)
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Keywords | 造影超音波診断 / 頸部リンパ節転移 / 頭頸部癌 |
Research Abstract |
頭頸部癌頸部リンパ節転移を機能的に診断する方法として、造影超音波診断に着目し臨床応用を図って来た。動画像として撮影される超音波画像は,超音波プローブの手ぶれ,患者の呼吸,近接する動脈の拍動等による画像変形が含まれる.マイクロバブルの位置や動きを高精度に検出するためには,これらの画像変形を取り除き,高精度に位置合わせをする必要がある.本研究では,位相限定相関法と呼ばれる画像の位相情報に着目した高精度画像マッチング手法を基本として,大きく画像変形しているフレームの検出・画像間の高精度な位置合わせのための画像処理アルゴリズムを開発し、位置合わせ後の画像に対して,画素の時間変化を解析することで,マイクロバブルを検出・追跡し,超音波画像から血管像を構築するような改良を行った。 造影効果の持続についてはCTやMRIの造影に比べ、一度静脈内に投与されたマイクロバブル造影剤(ソナゾイド)は比較的長く保持され、造影強度は10分後にも最初の1,2分とほぼ同等である。これはこれまでの造影剤には認められない効果である。これは頸部リンパ節全体のスキャンが可能であることを意味しており、重要な所見である。 マウス転移モデルでの血管増生を造影超音波で検出した結果、転移リンパ節ではリンパ節内の腫瘍体積が増加するよりも血管増生の方が速く進行していることを明らかにした。この結果はソナゾイドを用いた造影超音波診断により、転移リンパ節が早期に診断できる可能性を示唆している。 これまでの臨床症例の検討により、種々の悪性腫瘍で頸部転移リンパ節にソナゾイドによる造影効果が認められることが明らかになった。今後は2次元あるいは3次元で血管像を構築することにより、転移リンパ節に特徴的な所見を得られるかどうか、あるいは臨床的に血管密度から転移診断が可能かどうかを検討する予定である。
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Research Products
(4 results)