2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592524
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三澤 清 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90334979)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯田 周幸 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40190714)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 癌幹細胞 |
Research Abstract |
ポリコーム群複合体(PRC)と呼ばれる遺伝子発現調節タンパク質複合体は、核内でヒストン修飾やDNAメチル化などのエピジェネティックな転写制御を通じて、幹細胞に特異的な遺伝子発現の維持を行うことが知られている。PCR1の主要構成分子のBmi1、PRC2のEZH2などが癌幹細胞マーカーとして固形腫瘍においても異常発現を認めることが報告されている。今回、Bmi1、EZH2の発現解析と癌抑制遺伝子のメチル化解析を行った。方法は、臨床検体91例からのRNAを抽出しQ-PCR法にてmRNA発現解析をした。また同じくDNAをバイサルファイト処理し9遺伝子のメチル化解析を行った。結果は、Bmi1は29.6%、EZH2は24.1%に高発現を認めた。これらの高発現症例群は予後不良であった(p<0.05)。メチル解析では、Bmi1、EZH2が高発現の症例群では、癌抑制遺伝子のメチル化は高頻度に認めた(p<0.05)。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC)にて細胞を治療するとBmi1、EZH2の発現が低下することを確認している。以上、頭頸部癌における癌幹細胞マーカーとエピジェネティック異常について今年度我々は研究し調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度で、頭頸部癌における癌幹細胞マーカーの発現について調べた。Bmi1、EZH2遺伝子の異常を見つけることができ、当初の予想された結果に近いデーターを得られえた。今後は、Bmi1、EZH2と他の因子との関連を調べていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
頭頸部癌細胞の遺伝子導入に必要なsal like各遺伝子発現プラスミドを構築する。各遺伝子のC末端にHA タグを付加した遺伝子配列を構築し,更に,頭頸部癌細胞株に遺伝子導入した後,GFPをマーカーとしてフローサイトメトリーを用いて選択し安定細胞株sal like細胞およびコントロール細胞株mock 細胞を樹立する。sal like各遺伝子は癌幹細胞の転写であることが想定されており細胞増殖に変化を起こすと考えられる。細胞増殖の変化は,細胞数の計測により行い,細胞周期はBrdU (5-bromo-2'-deoxyuridine)の取込み率で比較する。 また,アポトーシスの有無は,カスペース3の活性化を指標とする。また,細胞形態に関しては,通常の光学顕微鏡の観察に加え,E-カドヘリンやB-カテニンなどの細胞骨格蛋白の発現変化や細胞内局在の変化をウエスタン解析および共焦点顕微鏡を用いて観察する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、頭頸部癌細胞株への遺伝子導入を予定している。細胞の維持、遺伝子導入を行う試薬の購入、遺伝子発現の解析など研究費は前年度より多く必要になると考えられる。
|
Research Products
(5 results)