2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592524
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
三澤 清 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90334979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯田 周幸 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40190714)
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Keywords | 癌幹細胞マーカー / 頭頸部癌 / メチル化 |
Research Abstract |
頭頸部癌における癌幹細胞の役割と新規治療法の探索という研究テーマで、研究を遂行している。ポリコーム群複合体(PRC)と呼ばれる遺伝子発現調節タンパク質複合体は、核内でヒストン修飾やDNAメチル化などのエピジェネティックな転写制御を通じて、幹細胞に 特異的な遺伝子発現の維持を行うことが知られている。PCR1の主要構成分子のBmi1、PRC2のEZH2などが癌幹細胞マーカーとして固形腫瘍においても異常発現を認めることが報告されている。今年度、Bmi1、EZH2の蛍光免疫染色、mRNA発現解析と癌抑制遺伝子のDNAメチ ル化解析を行った。方法は、細胞株Hep-2を使って蛍光免疫染色によりBmi1、EZH2の発現部位を確認した。また、臨床検体91例からのRNAを抽出しQ-PCR法にてmRNA発現解析をした。また同じくDNAをバイサルファイト処理し9遺伝子のメチル化解析を行った。結果は、Bmi1は29.6%、EZH2は24.1%に高発現を認めた。これらの高発現症例群はカプランマイヤー法による予後解析によって予後不良であった(p<0.05)。メチル解析では、Bmi1、EZH2が高発現の症例群では、癌抑制遺伝子のメチル化は高頻度に認めた(p<0.05)。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC)にて細胞を治療するとBmi1、EZH2の発現が低下することを確認した。これらの結果から、頭頸部癌における癌幹細胞マーカーBmi1、EZH2とエピジェネティック異常との関連と頭頸部癌における予後マーカーになることがわかった。
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