2011 Fiscal Year Research-status Report
咽頭癌治療における新たな嚥下リハビリテーション、嚥下評価法の開発
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23592528
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
斎藤 幹 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30335442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹生 健一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20251283)
大月 直樹 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40343264)
米澤 宏一郎 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (20533714)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 嚥下リハビリテーション / 筋力トレーニング / 嚥下圧 |
Research Abstract |
今回、中・下咽頭癌に対して従来行われている直接訓練や間接訓練に加えて、頸部の筋力トレーニングを用いた新たな嚥下リハビリテーション法の開発を目指しており、まず健常者を対象として筋力トレーニングにより嚥下圧を高めることが可能かを嚥下圧センサーを用いて様々なタスクで検証した。 4チャンネル圧センサーを経鼻的に挿入し、喉頭蓋付近、口蓋垂付近にセンサーがくるようにして固定する。その状態で数回水飲み嚥下を繰り返し、正常嚥下圧を測定しコントロールとした。 その後に「喉頭部を前方に押し、これに抵抗しながら嚥下する」、「舌を前に出しながら嚥下する」、「腹筋に力を入れつつ嚥下する」、「頬をふくらましながら嚥下する」、「喉頭を上から抑えつつ嚥下する」、「顎引きで嚥下する」、「構音のタスク(パタカ発声)を課したのち嚥下する」、「最大吸気時に嚥下する」、「最大呼気時に嚥下する」、「座っている椅子を上方へ引くようにし上半身に力を入れつつ嚥下する」、「息をこらえ力みつつ嚥下」するなど様々なタスクを試行し、それぞれの嚥下圧をコントロールと比較した。 その結果、舌を前に出しながらの嚥下では圧が下がることがわかった。一方で上半身に力を入れつつ嚥下する、息こらえ嚥下などでは嚥下圧の上昇が見られた。顎引きや構音タスク後の嚥下では健常者では嚥下圧の変化は見られなかった。 これにより筋力トレーニングとして嚥下リハビリテーションを行うにはどのようなトレーニングが良いか検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、初年度は健常者を対象としてコントロールスタディを予定していた。予定通り終了できている。
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Strategy for Future Research Activity |
中下咽頭がん治療後の患者のうち、同意を得られた患者に対して、従来のリハビリテーションに加えて、筋力トレーニングを行なってもらう。そのうえで、治療前後の体重変化、食事量、食事形態、栄養状態、リハビリテーションの完遂率、アンケートによる患者の満足度などを検討し、今回取り入れたタスクの効果を検討するとともに、負荷として適当かを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は嚥下圧測定用4chカテーテルを購入する予定としている。嚥下圧は今回のトレーニングを他覚的に評価する重要な項目と考えており、経時的な変化を見ていく予定である。
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