2013 Fiscal Year Annual Research Report
咽頭癌治療における新たな嚥下リハビリテーション、嚥下評価法の開発
Project/Area Number |
23592528
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
斎藤 幹 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (30335442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹生 健一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20251283)
大月 直樹 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40343264)
米澤 宏一郎 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (20533714)
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Keywords | 嚥下障害 / リハビリテーション / 嚥下圧 / Voical Function Exercise |
Research Abstract |
まず健常成人を対象に経鼻的に嚥下圧センサーを咽頭に挿入し、様々なタスクを課して嚥下圧の変化を観察した。その結果、上半身に力を入れつつ嚥下する、息こらえ嚥下などでは嚥下圧の上昇を認めたるものの、顎引き嚥下や高音タスクのあとの嚥下では嚥下圧の変化は見られなかった。よって上半身に力を入れての嚥下や息こらえ嚥下は嚥下関連筋の筋力強化に働くと考えられ,嚥下障害を訴える患者に対するリハビリテーションとなる可能性が示唆された。 一方で声帯萎縮に伴う嗄声を訴える高齢者に対して、音声治療としてVocal Function Exerciseを行ったところ約8週間で聴覚印象評価、音響分析により音声の改善を認め、アンケートを用いた自己評価でも改善を認めた。Vocal Function Exerciseは喉頭筋の筋力アップや筋相互のバランス調整、喉頭筋と呼吸との協調を高める効果があることが示唆された。 そこで水を飲むと誤嚥すると訴える高齢患者のうち、嚥下内視鏡検査で明らかな異常を認めない患者を対象として、息こらえ嚥下の練習およびVocal Function Exerciseを8週間行った。その結果、内視鏡検査上は練習前後で所見の変化を認めなかったが、嚥下に関するアンケートでは水の誤嚥が少なくなり、咳払いの回数の減少が見られた。これらの練習は非常に簡便であり、高齢者でも完遂率が高く、不顕性誤嚥に伴う誤嚥性肺炎の予防に繋がる可能性があると考えられた。
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