2011 Fiscal Year Research-status Report
いびきの音響解析と睡眠時CTによる睡眠呼吸障害患者の上気道閉塞部位診断法の確立
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23592529
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原 浩貴 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90274167)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | いびき / 音響解析 / 3次元CT / 上気道形態 |
Research Abstract |
本年度は鼻呼吸時および口呼吸時の上気道閉塞部位といびきの音響特性について研究を行った。安静時の3次元CT画像から得られた上気道形態の特徴と、呼吸様式の両者からいびきの周波数特性から推定される上気道閉塞部位との比較を試みるなかで、呼吸様式の相違が上気道形態に及ぼす影響には、いくつかのパターンが存在する可能性が示唆された。開口口呼吸が上気道形態を狭小化するもの、閉口のうえでの努力性鼻呼吸が上気道狭窄を誘発するもの、覚醒時の呼吸様式では上気道狭窄の変化が予想しにくいものの3パターンを推定した。3者の上気道狭窄部位はそれぞれ異なりいびき音の特性も異なる事が示唆された。さらにその理由を明らかにするため、研究方法の中に新たに流体解析を加えた。その結果、睡眠中の上気道狭窄部位の推定には、流体解析によるシュミレーションが有用であり、流速、陰圧等の変化を詳細に検討する事が、鼻呼吸時および口呼吸時の上気道閉塞部位といびきの音響特性との関連を解明するために有用であると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
睡眠時の上気道閉塞部位といびきの音響特性の関連を明確にするためには、覚醒時の3次元CTの解析を更に詳しく、流体解析により検討する事が必要であることが明らかとなった。このため、今年度は睡眠深度と狭窄部位との関連の検討にはいたらなかったが、一方で流体解析シミュレーションによる上気道評価法により、覚醒時CT結果から上気道閉塞部位の類推が可能となる可能性が確認できた。従って研究目的であるいびき音の音響解析と3次元CTデータの解析を併用する事での世界基準となる上気道閉塞部位診断にむけてはおおむね順調な進行状況であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の結果から、呼吸様式の相違が上気道形態に及ぼす影響には、いくつかのパターンが存在する可能性が示唆された。開口口呼吸が上気道形態を狭小化するもの、閉口のうえでの努力性鼻呼吸が上気道狭窄を誘発するもの、覚醒時の呼吸様式では上気道狭窄の変化が予想しにくいものの3パターンを推定した。この推論に基づき、流体解析シミュレーションによる上気道評価法をより詳細に行ない、覚醒時CT結果と呼吸様式から上気道閉塞部位の類推を行い、睡眠中のCTで確認する予定とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
流体解析で得られるデータの保管およびいびき音の録音には、大容量のストーレージが必要である。このため、バックアップメディアをふくめた大容量ストーレージを購入する予定である。また、これまでの成果の一部を投稿するとともに、アジア睡眠学会(台湾)シンポジウムで講演する予定であり、英文校正料、旅費、学会参加費にも使用する予定である。
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Research Products
(2 results)