2012 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子多型、ウイルス感染及び腫瘍の生物学的活性に基づく頭頸部癌の治療効果予測
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23592535
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
鈴木 幹男 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00226557)
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Keywords | ヒト乳頭腫ウイルス / EBウイルス / 遺伝子多型 / 生活習慣 / 予後 / 重複癌 |
Research Abstract |
これまで252例の頭頸部悪性腫瘍,72例の頭頸部良性腫瘍,120例の正常コントロールから血液サンプル,腫瘍組織を採取した。腫瘍は全血からgenomic DNA抽出,腫瘍からDNA・RNA抽出,cDNA作成をおこなった。1)生活習慣に関する遺伝子多型:中咽頭癌・下咽頭癌・喉頭癌,正常コントロールの解析をおこなった。ADH1B,ALDH2,CYP1A1/2A,CYP1A1m1,CYP1*2C,CYP1A1m2,GST-M1,GST-T1,GST-P1について解析をおこなった。現在臨床像との解析を多重解析で検討中である。ADH1B,ALDH2と多重癌については従来の報告と同様の結果であった。2)HPVウイルス感染 integration siteに関して引き続き解析をおこなったが,技術上の問題があり20%程度の解析にとどまった。予後の関係について解析し,中咽頭癌だけでなく,全頭頸部癌でみても,HPV陽性例で予後がよいことを発見し,国際誌に発表した。3)HPVに関するPCRとp16免疫染色の関係を調査し,mRNA発現が高いものはp16染色性が強いことを発見した。さらにin situ hybiridization法を用いて,EB virusとHPVの共感染と予後の関係について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンプル採取,遺伝子抽出,PCR,免疫染色,DNA多型解析など多くの部分で問題なく解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
HPV,EBV,遺伝子多型,重複癌,予後の関係について,多数例を蓄積できたため,統計処理を検討し新しい所見を提示する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
サンプルをさらに引き続き集積する。またコントロールの一部が不足しているのでコントロールサンプルのサンプルも引き続き集積する。現在あるデータを用いて統計処理を行う予定である。またHPVとEBVとの共感染については予備検討では新しい知見が得られており引き続き検討を進める。HIF-1α,GLUT 1遺伝子発現,免疫染色を引き続き実施する。
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