2013 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌におけるシスプラチン感受性規定因子の解明ー網羅的タンパク解析法を用いて
Project/Area Number |
23592542
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小川 徹也 愛知医科大学, 医学部, 教授 (40334940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 教授 (60109759)
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Keywords | 頭頸部外科学 |
Research Abstract |
前前年度に行ったSELDI-TOF-MS(表面増強レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析)網羅的解析による、複数の候補タンパクピークの絞り込みの成功、次いで前年度に行ったシスプラチン感受性株(UM-SCC23)、シスプラチン自然耐性株(UM-SCC81B)、シスプラチン獲得耐性株(UM-SCC23-CDDPR)より抽出したタンパクの電気泳動(Q-PAGEを使用)、銀染色発現差スポット切り出しによる、MALDI-TOF-MS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間質量分析)、ペプチドマスフィンガープリンティングにてのタンパク同定、ウエスタンブロッティング法による発現差確認を元に、本年度の研究では、シスプラチン感受性株(UM-SCC23)、シスプラチン獲得耐性株(UM-SCC23-CDDPR)、シスプラチン自然耐性株(UM-SCC81B)と共に、5FU耐性株(UM-SCC-W/R)をも比較する4検体の同時比較を、iTRAQ法;(4PLEX)とタンデムマススペクトメトリー(Triple TOF5600)を組み合わせる方法で行い、Protein Pilotを使用しタンパク同定を試みた。その結果、全体で2173個のタンパクを同定することに成功し、そのうち多剤耐性因子に関わるタンパクを13個、シスプラチン耐性に特異的に関与するタンパクを7個同定し得た。さらにウエスタンブロッティング法でも発現の差を確認した。最終的に、多剤耐性因子に関わるタンパクの中でもCa2+結合転写制御因子に関連するカルレチクリン、さらにシスプラチン耐性に特異的に関与するタンパクの中でも、解糖系に関与するαエノラーゼに着目し、siRNAを使用しそれらの機能解析を行った。その結果、αエノラーゼがシスプラチン特異的耐性に関連すること、またカルレチクリンが多剤耐性因子に関わることを証明した。
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Research Products
(6 results)