2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592545
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
荒木 幸仁 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (70317220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 彰浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (80215946)
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Keywords | 遺伝子治療 / 喉頭気管狭窄 / 反回神経麻痺 / センダイウイルスベクター / FIR / 免疫抑制剤 |
Research Abstract |
反回神経麻痺に対する治療法について基礎的検討を行った。安全かつ気道への導入効率が良いとされるセンダイウイルスベクター(SeV)を用いた喉頭への遺伝子導入の検討、ならびに今後の神経評価のためのin vivo反回神経トレーシングについての検討を行った。簡便で非侵襲的な噴霧による喉頭・気管上皮へのレポーター遺伝子導入による優れた遺伝子導入効果を認め、粘膜上皮のみでなく粘膜下での遺伝子導入も確認した。また反回神経を経時的にin vivoでトレース可能か、神経トレーサー(DiI:インドカルボシアニン)を喉頭に投与し、in vivo animal imaging systemを用いて検討した。反回神経ならびに神経中枢である疑核でのトレーサーによる蛍光検出は可能であった。 瘢痕性喉頭気管狭窄に対する遺伝子治療や薬物治療による新たな治療法を検討した。ラット喉頭気管へのSeVによるレポーター遺伝子の導入や、新たな気管狭窄ラットモデルを確立しており、本年度は治療効果の検討を行った。細胞増殖を促進するc-mycを抑制する働きをもつFIRを用い、SeV-FIR遺伝子治療による瘢痕狭窄抑制効果についての検討、および冠動脈などの瘢痕狭窄治療にも用いられている免疫抑制剤による治療効果について検討を行った。SeV-FIR遺伝子治療では有意な治療効果は認めず、現在治療条件などを変え効果の検証を行っている。免疫抑制剤による治療では狭窄モデルにおける瘢痕抑制効果を認めた。 Mizokami D, Araki K et al. Sendai Virus Transgene in a Novel Gene Therapy for Laryngotracheal Disease. Laryngoscope (in press)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反回神経麻痺および喉頭気管狭窄といった難治性喉頭疾患に対する新たな治療法の基礎研究を進めている。それぞれのテーマにおいて少しずつ結果を確認できており、すでに1編を論文として発表することもでき、今後も数編の論文を作成する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在進めている反回神経麻痺に対する治療として、新たにチューブで神経を架橋し治療因子を投与する実験を開始している。またSeV-FIR遺伝子治療による喉頭気管狭窄治療も免疫抑制剤との併用による効果を検討中であり、成果が期待できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験系は確立されており、おもに実験動物や試薬等に投資する予定である。
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