2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592545
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
荒木 幸仁 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (70317220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩谷 彰浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 医学教育部医学科専門課程, 教授 (80215946)
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Keywords | 遺伝子治療 / 反回神経麻痺 / 喉頭気管狭窄 / センダイウイルス / 神経再生チューブ / 筋電図 / 神経トレーサー / 免疫抑制剤 |
Research Abstract |
喉頭疾患への遺伝子治療法開発への基礎的検討を行った。反回神経障害治療における、今後の神経評価法の確立、および喉頭気管狭窄に対する遺伝子治療、薬物治療の効果を検討した。 反回神経麻痺に対する治療法について基礎的検討を行い、反回神経の再生についての評価法を確立した。神経機能回復における最大の問題点である過誤支配の克服に向けて、神経切断モデルを作成し、神経トレーサー(ファストブルー、ディアミニドイエロー)を喉頭筋(甲状披裂筋披裂、後輪状披裂筋)にそれぞれ投与し二重染色を行い、中枢(疑核)において過誤神経支配を評価する手技の確立に成功した。また迷走神経核における評価法も確立し、運動神経線維のみでなく感覚神経、交感神経線維の評価を行うことで、運動神経再生における問題点を明らかなにする手法を確立した。末梢においては、免疫染色による運動神経再生の評価法、神経末梢・喉頭での組織学的評価法や喉頭筋電図による神経機能評価法などを確立した。 また反回神経遺伝子導入による治療効果検討の前段階として、神経切断部の治療環境として有用性が期待できる新しい神経再生PGAチューブ(ナーブブリッジ)を用いた反回神経再生環境を作ることに成功した。チューブ単独であっても、切断後にチューブで架橋することにより神経再生促進が形態学的に確認できた。この環境を用いた遺伝子治療へと発展させることで、神経の機能的再生を目指した新たな治療法開発への基礎を確立することができた。 さらに喉頭気管狭窄に対する遺伝子治療法についての検討を行った。細胞増殖に関わるc-mycの転写抑制因子FIRをセンダイウイルスベクターで傷害後粘膜に遺伝子導入することで気管狭窄の予防効果があった。また冠動脈ステント治療において再狭窄予防薬として用いられている免疫抑制剤タクロリムスを用いた気管狭窄治療効果についても検討し、その狭窄防止効果を認めた。
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