2012 Fiscal Year Research-status Report
組織シーラントを用いたガスタンポナーデ不要の網膜剥離手術の有効性,安全性の検討
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23592551
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡本 史樹 筑波大学, 医学医療系, 講師 (30334064)
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Keywords | 網膜剥離 / シーラント / focalseal / 硝子体手術 |
Research Abstract |
実験1;全身,全身麻酔を行いながら,有色家兎の右眼の硝子体腔内に10mg/0.1mlのFocalSealを注入した.注入後1,7,14,28日後に細隙灯顕微鏡と倒像鏡にて眼内を観察した.その結果,FocalSealは,角膜,水晶体,硝子体に影響を与えないことが分かった.また,注入後28日で全身麻酔を行い,網膜電図を測定したが,その結果,網膜機能に影響はしていなかった.すべての検査を終えた後に,ペントバルビタール 100mg/kgBWを腹腔内に追加投与して安楽死を得,その後眼球を摘出し,顕微鏡にて網膜組織を観察したところ,網膜の炎症所見や,萎縮所見は認めなかった. 実験2;全身,全身麻酔を行いながら,有色家兎の右眼に硝子体手術を行い, FocalSealを網膜上に塗布した.術後1,3,7,14,28日に細隙灯顕微鏡と倒像鏡,網膜光干渉計にて眼内を観察した.その結果,FocalSealは,網膜に影響を与えないことが分かった. 実験1に関しては平成25年度の日本眼科学会総会で発表した.また論文執筆中である. 実験2に関しては平成25年度の日本網膜硝子体学会,平成26年度のARVOで発表予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度に計画した研究はすべておこなった.平成24年度に計画した実験のうち,硝子体手術を行い網膜上にFocalSealを塗布した実験は行えたが,人工的網膜剥離を起こしてFocalSealでシーリングするまでに至っていない.そのため,やや実験は遅れていると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
FocalSealを用いた網膜剥離手術の有効性,安全性の検討を行う.有色家兎に40mg/kgBWのペントバルビタールを腹腔内投与することにより全身麻酔をかける.さらに0.4%塩酸オキシプロカインを点眼することで,眼表面麻酔を行い,23ゲージ経結膜硝子体手術を行う.家兎を2群にわけ,1群の右眼にFocalSealを塗布し,60秒の光照射を行って網膜裂孔を閉鎖して空気-液体置換をして手術を終了する.もう1群の右眼は液体-空気置換により網膜復位させた後に手術を終了する.注入前と注入後1,7,14,28日、2,3,6ヶ月において手持ち細隙灯顕微鏡での前眼部観察と単眼倒像鏡による眼底観察を行い、角膜,前房,水晶体,硝子体,網膜の状態を記録する.また,注入前と注入後6ヶ月で網膜電図を測定.網膜の機能評価を行う.すべての検査を終えた後に,ペントバルビタール 100mg/kgBWを腹腔内に追加投与して安楽死を得る.その後眼球を摘出し,顕微鏡にて網膜の微細形態を観察する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし.
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