2011 Fiscal Year Research-status Report
ケモカイン受容体を標的とした新たな加齢黄斑変性の治療戦略
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23592552
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳 靖雄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90376442)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | CXCR3 / ケモカイン / 脈絡膜新生血管 |
Research Abstract |
CXCR3は主にTリンパ球に表出されるケモカイン受容体として知られているが、腫瘍などの新生血管内皮にも発現し、血管新生抑制に関与するとされている。今回我々は、レーザー誘発性モデルを用いCXCR3とそのリガンドの一つであるIP-10の脈絡膜新生血管(CNV)への関与について検討を行った。まず、C57BL/6マウスにレーザー誘発性 CNVモデルを作成し、CXCR3の免疫染色を行い,更にCXCR3とその主要リガンド(MIG, IP-10, ITAC)の発現をRT-PCRで検討した。次に、CXCR3ノックアウト(CXCR3KO)マウスと野生型(WT)マウスにCNVモデルを作成し、蛍光眼底造影(FA)と脈絡膜伸展標本によるCNV 面積の比較を行った。WTマウスのCNVモデルに対しCXCR3中和抗体やIP-10中和抗体の硝子体投与も行い、CNVへの影響を検討した。更に、各種炎症性サイトカインの発現をRT-PCRにて検討した。その結果、蛍光免疫染色にてCNVの血管内皮にCXCR3の発現を認めた。RT-PCRではCNVを誘発した眼球でCXCR3とIP-10の発現上昇が認められた。また、CXCR3KOマウスでは、WTマウスに比較して、CNVの蛍光漏出、CNV面積ともに有意に拡大した(p<0.01, nested-ANOVA)。WTマウス硝子体への抗CXCR3中和抗体/抗IP-10中和抗体投与も、CNVを有意に拡大した(p<0.05, nested-ANOVA)。更に、CXCR3KOマウスではWTマウスと比較してCNVを誘発した眼球の色素上皮/脈絡膜でCCL2の発現上昇を認めた(p<0.05)。これらの結果からCXCR3、IP-10はCNVモデルで発現が上昇し、CXCR3はCNVの進展抑制に関与すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた検討は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
別の新生血管モデルを用い、今回明らかとなったケモカインについて検討を行うと同時に、臨床サンプルを用いた新たな治療標的の可能性についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
血管新生モデル作出、解析。臨床サンプルの解析。
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