2013 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカイン受容体を標的とした新たな加齢黄斑変性の治療戦略
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23592552
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳 靖雄 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90376442)
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Keywords | 加齢黄斑変性 / ケモカイン |
Research Abstract |
虚血性新生血管を評価する酸素誘発性網膜症モデル(OIR model)を使用した検討では、IP-10の受容体のCXCR3を欠損させたマウスは野生型に比較して新生血管領域が大きかった。すなわち、CXCR3シグナルは血管新生に抑制的に作用する事が示唆された。このため、このモデルを用いてCXCR3のリガンドを検討するとI-TAC,MIG-1,IP-10のうち、IP-10のみCXCR3KOマウスでの発現が低下していた。 さらに、レーザー誘発性脈絡膜新生血管モデルではM1およびM2マクロファージが病巣に集積するが、レーザー照射後3日目の網膜・脈絡膜サンプルを用いてM1およびM2マクロファージを採取し、RT-PCRで検討した結果、IP-10はM1マクロファージでのみ発現が認められた。 in vitroではマクロファージの細胞株であるTHP-1細胞株をそれぞれM1、M2マクロファージに分化させ、IP-10の発現をみたところmRNAおよびタンパクレベルでM1マクロファージがIP-10を産生しているのを確認した。さらに、Tube formation assay(HUVECを使用)にてM1マクロファージのならし培地(Conditioned Medium)下で血管形成が低下し、抗IP-10抗体を添加すると血管形成が増加することを確認した。 さらに、in vitroでは分化誘導後のマクロファージをLPS(10ug/ml)、血清、血清+A2E(10-8M)で刺激し、qPCRにて発現量の変化をみたところ、網膜色素上皮細胞株ARPE-19との共培養下においては、M1マクロファージ存在下でLPS、A2E刺激によりM1マクロファージおよびARPE-19からのIP-10増加が見られた これらよりM1マクロファージや網膜色素上皮細胞によって産生されるIP-10やが血管内皮細胞に作用し、血管形成を抑制すると考えられた。
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