2013 Fiscal Year Annual Research Report
ラット専用光干渉断層計による緑内障関連モデルにおける網膜各層の構造的変化の解析
Project/Area Number |
23592557
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東出 朋巳 金沢大学, 大学病院, 講師 (20291370)
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Keywords | ラット / 網膜 / 光干渉断層計 / 緑内障 |
Research Abstract |
我々が開発したラット専用OCTがエンドセリン(ET-1)硝子体内注入モデルでの網膜各層の構造的変化を定量的に評価し、薬物による神経保護効果の判定に有用であるかを検討した。0.2、2.0pmolのET-1投与では網膜各層厚に変化はなかったが、20、200pmol投与では経時的に網膜全層厚、内層厚、網膜神経線維層(RNFL)厚が菲薄化し、内層厚が網膜神経節細胞(RGC)数と最もよく相関した。したがって、ラットET-1投与モデルでは網膜障害を惹起する最小のET-1量は20pmolであり、OCTによる網膜内層厚がRGC障害の評価に有用であることが判明した。これは、緑内障関連モデルであるラットET-1投与モデルにおける神経保護効果をみるための最適な障害強度と生体内評価法を示した意義あるものである。続いて、20pmol ET-1による網膜障害に対するタフルプロスト1日1回点眼の神経保護効果を生理食塩水点眼を対照として2重盲検で検討した。タフルプロスト群ではOCTでのRNFL厚、網膜内層厚および網膜伸展標本でのRGC数の減少が有意に抑制された。これは、われわれのラット専用OCTがラット緑内障関連モデルにおける神経保護効果の検討に有用であることを示した意義あるものである。さらに、神経保護効果の機序を解明するためにラット網膜血流の非侵襲的測定法の確立を試み、Laser Speckle Flowgraphyによるペントバルビタール腹腔内麻酔下での網膜血流の測定法を確立した。また、OCTの光学系を利用した眼軸長同時測定機能の追加に成功した。これらの追加検査によって、今後いろいろな緑内障関連動物モデルでのわれわれのラット専用OCTシステムによる網膜の構造的変化の解析において、循環動態や眼軸長の変化の影響を加味した検討が可能となり新知見をもたらすと考えられる。
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Research Products
(1 results)