2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592559
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山本 哲也 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50134581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 清文 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (90182162)
川瀬 和秀 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40234067)
澤田 明 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80293570)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 緑内障 / 失明予防 |
Research Abstract |
開放隅角緑内障長期観察例における予後不良因子同定: 10-15年経過観察された緑内障患者を対象とし、視野進行と経過中の臨床諸因子の関連を多変量解析の手法を用いて検討した。その結果、経過中の乳頭出血の出現と、経過中の眼圧の標準偏差の大きなことが予後不良因子として同定された。 術後感染:実施中の全国共同研究のプロトコールに沿った研究を遂行した。本共同研究で得られたデータから、トラベクレクトミー術後5年における濾過胞感染の発生率は2.6±0.6%(予測値±標準誤差)と推定された。 緑内障における黄斑形態変化と視機能の関連の解明:岐阜大学附属病院で管理中の緑内障例の黄斑形態をCirrus光干渉断層計で計測した。黄斑部網膜厚およびganglion cell complexが視野と相関することを見出した。 原発閉塞隅角症/緑内障の発症機序と予後の解明:原発閉塞隅角症/原発閉塞隅角緑内障の長期予後と臨床因子の関連を、学内臨床例および大規模疫学調査データを用いて研究した。予後因子として、周辺虹彩前癒着の程度、視神経障害の有無が重要なことを証明した。また、本症の有病率が日本国内においても本州と沖縄で異なることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に関連して、すでに5編の英文論文を発表した。また、一般講演として5回、招待講演として4回学術発表の機会を得た。さらに、現在の進行状況から今後の順調な成果の発表が見込める。これらの状況から上記のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして、下記の研究を行う。緑内障性視神経症の進行と経過中の臨床諸因子の関連をさらに統計学的に検討し、失明に至った症例の予後因子検討により、失明予防に必要な標準化された緑内障管理法を策定する。状況によっては培養系による実験や動物実験などによる検証を行なう。画像解析装置を含めた視神経所見の緑内障性異常の有無をさらに検討し、同方法による緑内障進行の評価法を開発する。同様に、視野測定による進行の評価法を開発する。全国共同研究のプロトコールに沿った術後感染研究を引き続き遂行する。濾過胞感染の緑内障濾過手術後感染症発生率を最小にするための条件を見出し、濾過手術適応、術後管理の基本的方法を策定する。緑内障例の黄斑形態と視機能の関連を検討する。その上で、黄斑形態を考慮に入れた緑内障の治療方針策定法を作成する。さらに症例を増やして、眼圧上昇機序と、臨床所見(病型、眼圧上昇程度、予後、眼軸長、等)との関連を多変量解析で検討する。手術例を含めて、長期観察例の予後データを解析し、失明回避を目指して、本症の早期発見法、管理法を策定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データの収集と解析に必要なものは、パソコン、パソコン備品、統計解析ソフトアップデート費用、診療用小備品(眼圧測定、眼底検査、隅角検査関連)、文献書籍である。これらに約70万円使用させていただく。研究発表として、外国旅費約30万円を使用予定である。また、論文発表の英文校閲費用、論文別冊代などに約30万円を予定している。
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Research Products
(14 results)