2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592559
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山本 哲也 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50134581)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 清文 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (90182162)
川瀬 和秀 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40234067)
澤田 明 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80293570)
|
Keywords | 緑内障 / 失明予防 |
Research Abstract |
開放隅角緑内障長期観察例における予後不良因子同定:平成24年度は長期経過観察例(15年以上)の予後解析を行い、現在もその作業中である。現時点で、手術例において視野予後が大幅に改善すること、薬物治療群においても高度の眼圧下降により予後の改善することを見出している。 術後感染:平成24年度は前年に引き続き全国共同の2研究のプロトコールに沿った研究を遂行した。濾過胞感染全国登録事業では45施設から得られた171例172眼の濾過胞感染に関して報告した。トラベクレクトミーおよびトラベクレクトミー白内障同時手術例(147例148眼)の集計では、手術から感染症発症までの期間は0.3~25.3年(6.4±4.9年:平均±標準偏差)、病期はstage I 87眼、stage II 28眼、stage IIIa 18眼、stage IIIb 28眼、検出株数74株、検出菌は連鎖球菌、黄色ぶどう球菌、CNS等であった。 緑内障における黄斑形態変化と視機能の関連の解明:平成24年度は岐阜大学附属病院で管理中の緑内障例のCirrus光干渉断層計で計測した黄斑形態に関して検討した。2年の経過観察例では視野異常の出現以前から既に黄斑部網膜厚の減少(すなわち、視神経萎縮の進行)が認められることを明らかにした。 原発閉塞隅角症/原発閉塞隅角緑内障の発症機序と予後の解明:平成24年度は原発閉塞隅角緑内障の視機能予後と眼所見との関連を検討した。周辺虹彩前癒着の範囲と予後が有意に関連していることを見出した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は本研究に関連して、5編の英文論文を発表した。また、一般講演として16回、招待講演として9回の学術成果発表の機会を得た。さらに、現在の研究の進行状況から今後の順調な成果の発表が見込める。したがって、上記のように判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は予定された最終年度であり、本研究を完成させ、次の研究につなげる重要な時期と位置付ける。このため、平成23-24年度に得られた成果をもとに、下記のように研究を推進させる予定である。 緑内障性視神経症の進行と経過中の臨床諸因子の関連についての研究は70%程度進行した。正常眼圧緑内障に関してはすでに論文執筆の準備段階であるので論文執筆と学会発表を行う。原発開放隅角緑内障に関しては、データの収集と統計的解析を正常眼圧緑内障と同様に行う。そのうえで、失明に至った症例の予後因子検討により、失明予防に必要な標準化された緑内障管理法を策定する。動物実験などによる検証も場合により予定している。 黄斑部視神経の画像解析に関しては一部の成果を既に論文化しているが、内容を発展させて、3年程度の経過観察における画像解析装置の有用性を証明し、同手法による標準的な緑内障進行の評価法を開発する。 濾過胞感染研究については、データ収集はほぼ終了したので、その解析と論文作成、学会発表を行う。全国共同研究のためデータ量が膨大であるが、予備的検討によれば濾過胞感染の発生率、関連因子同定、予防法の検討ができるものと思われる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(26 results)