2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23592560
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 美保 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (50252242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
彦谷 明子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80464113)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 斜視 / 再手術 / 術中調整法 / 間欠性外斜視 / 調整力 / 屈折 |
Research Abstract |
1)内斜視術後外斜視にたいしては、再手術後2年以上経過した症例を蓄積して検討した。その結果、安定した経過をたどっていることが明らかになった。2)より精度の高い斜視手術方法については、甲状腺眼症に対する斜視手術で術中調整法を行い術後2年以上経過した症例について、調整糸法で筋を移動した群と、そうでない群を比較した。その結果、調整法で移動したものと移動しなかった症例の間で斜視角の変動に差が見られなかった。そこで、術中調整法の安定性が示された。3)間欠性外斜視にたいして、斜視手術前後での両眼開放屈折検査を行った。その結果、術前には片眼ずつ測定したときに比べて、両眼同時に測定したときの方が近視よりの屈折異常をしめしたものが、術後には、片眼ずつでも両眼同時でも屈折値に差がないことが明らかになった。さらに、プリズムを水平および上下においたうえで立体視図形を見せながら、両眼開放での屈折検査を行った。水平にプリズムをおいたときには、プリズム度数を増加させるに従って近視化がすすんだものの、上下にプリズムをおいたときには一定の傾向をしめさなかった。このことから、斜視患者が立体図形を認識することが眼精疲労につながることが明らかとなった。4)上下斜視に影響を与える因子に関する研究を行った。水平斜視だけと思われる症例でも、首を左右に傾けると上下斜視がしばしば出現する。高齢の水平斜視患者の多くが、上下斜視を合併する原因の解明の鍵となると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者の斜視に関する研究を画像と臨床診断の両面から行っている。画像解析による斜視の症例は蓄積を続けている。調節力に関する研究には、当初、瞳孔反応を用いて行っていたが、瞳孔反応が必ずしも調節と一致しないことから両眼同時測定可能な屈折検査装置を導入して、さまざまな環境での屈折を測定している。これによって、調節の影響を検討することが可能である。間欠性外斜視の頭位傾斜試験と上下ずれの検討は、あらたな試みであるが高齢者の水平斜視にしばしば上下斜視を伴うことの解明につながる可能性がある。当初の研究方法と異なる研究であるが、目的とする加齢の影響を検討するためにより適切な方法を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに蓄積したデータを解析、検討し、次年度は国内外の学会で報告する予定である。そのための研究費を使用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
論文作成にあたり、英文校正料、投稿料ならびに学会参加費用とする。
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Research Products
(10 results)