2011 Fiscal Year Research-status Report
細胞外マトリックスを介した眼科疾患メカニズムの解明と失明予防法の研究
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23592566
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生野 恭司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50294096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷山 義明 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (60372611)
五味 文 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80335364)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ペリオスチン / 糖尿病網膜症 / 緑内障 |
Research Abstract |
本年度はまず、本研究の導入として、ぺリオスチンの疾病眼との関連を検討した。焼死体手術もしくは白内障手術時に採取した前房水もしくは硝子体液を、ぺリオスチン特異的な抗体を用いて、その濃度を検討した。その結果、黄斑前膜、黄斑円孔などの比較的軽度な網膜硝子体疾患や眼底正常例では、ほとんどぺリオスチン濃度の上昇は見られないものの、網膜剥離や糖尿病網膜症においては、濃度の上昇がみられた。これはひとえに、糖尿病による、血液網膜柵の破綻が考えられ、また同時に、高血糖による、眼球組織内の細胞外マトリックスのリモデリングが、異常をきたしていることが考えられた。実際、糖尿病網膜症では、眼内新生血管が生じると同時に、硝子体手術においても、線維血管増殖膜の増生や、網膜前膜の再増殖作用が指摘されている。これはおそらく、このようなぺリオスチンの産生異常による細胞マトリックス環境の変化が影響しているものだと考えることができる。 また、動物実験に関しては、ぺリオスチンノックアウトマウスならびに正常マウスを用いて、レーザーによる実験的CNV作成を準備中である。倫理委員会によるマウス使用の許可ならびに、動物実験施設における許可を獲得し、現在、マウスにおけるレーザー照射とその評価法の訓練を行っているところである。こちらの研究も、2、3か月という近いうちに本格稼働に入れるものと考えている。 このように本実験に関しては、準備期間を終了し、万全の体制が整いつつある。2年目は実験を本格的に稼働させ、実際の生体におけるぺリオスチン濃度の測定や、疾患との関連を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人サンプルを用いたぺリオスチン濃度を測定するELISAに関しては、再現性を高めることや、設定の問題があり、思うように測定の設定が迅速に整えることができなかった。また、前房水や硝子体液は、非常に少量であり、希釈して測定を試みたりなど、実際の眼内サンプルを用いたアッセイ法の設定に、思ったよりも時間を要した。また、眼内組織からのmRNAを用いたRT-PCRでは、少量サンプルからのmRNAの抽出が困難で、サンプルの保存法や、抽出のノウハウの確立に思ったよりも時間を要している。しかしながら、すでに十数例のELISAは定量し、上記のような結果を得ている。動物実験に関しては、準備に多少の時間がかかることは予想しており、1年目は準備期間となることは想定内である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的に記載したように、ヒトサンプルからのぺリオスチン濃度測定は、予定通り実施予定であり、動物実験もすでにマウスの手配、および実験準備が整いつつあるため、環境が整い次第検討に入る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
眼内ぺリオスチン濃度測定は、予定通り継続してゆく、そのためのELISA試験やmRNAによるRT-PCTの測定が必要で、そのための試薬が必要である。また動物実験のための実験試薬の購入やマウスの購入も必要であり、申請時に計画した研究費が必要になると考えられる。
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