2013 Fiscal Year Annual Research Report
徐放作用を有する網膜接着糊を用いた網膜剥離および虚血性網膜疾患の治療法
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23592576
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
平田 憲 佐賀大学, 医学部, 准教授 (60295144)
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Keywords | 網膜糊 / 網膜剥離 / 硬性内視鏡 / 網膜静脈閉塞 |
Research Abstract |
平成25年度は主として以下の3点について検討した。 1. adult male ratを用い,網膜静脈閉塞モデルを作製し、薬剤含有網膜糊貼付による網膜血管再構築における影響の検証を行った。作製した実験的網膜静脈分枝閉塞症モデルにおいて網膜糊貼付による網膜硝子体界面の変化と、血管再構築の変化を血管内皮の構造(内皮細胞間のgap構造、fenestrationの有無,vesico-vacuolar organellaの有無)と血管の成熟化の指標となる基底膜、pericyteの存在とその構造についても比較検討を行った。結果として対照眼と比べ、網膜糊注入眼では、有意な炎症性変化が認められ、血管再構築を評価するに十分なデータが得られなかった。採用する網膜糊の量が、眼球容積に比較し、大量であったこと、網膜糊の基質となるゼラチンに対する炎症反応が強かったことが推察された。。 2. 眼科用粘弾性物質を用いた網膜裂孔閉鎖法の解析、家兎眼に裂孔原性網膜剥離モデルを作製し、硝子体手術後、硝子体腔内にPFCを滴下し、剥離網膜伸展させ、PFCと網膜の間に27G針を挿入し、眼科用粘弾性物質を塗布する。PFCを吸引除去し、術後経過を観察した。眼科用粘弾性物質により、網膜は復位し、眼科用粘弾性物質は速やかに吸収除去された。 3. 本研究の実験手技の一つである、硬性内視鏡を用いた眼底観察法は、眼底周辺部の観察に加え、前房隅角の観察に優れる。我々は通常の眼底観察法に加え、前房隅角の観察に有用である点を踏まえ、臨床研究審査委員会の承認のもと臨床法要を開始した。まず裂孔原性網膜剥離術後、増殖硝子体網膜症術後の患者を対象に検討を行い、無水晶体眼や眼内レンズ挿入眼では鋸状縁部までの眼底観察が可能となることを報告し、さらに先天性隅角形成異常(Peters' anomaly)患者の隅角観察にも本手法が有用であることを報告した。
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Research Products
(5 results)