2015 Fiscal Year Annual Research Report
上皮間葉系移行を標的とした脈絡膜悪性腫瘍の浸潤・転移抑制治療の開発
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23592583
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
田中 才一 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60316106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50264891)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | メラノーマ / 上皮間葉系移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の追加の悪性黒色腫のB16悪性黒色腫細胞株をコンフルエントに培養し、以下の細胞の検討を行った。B16悪性黒色腫細胞株は網目状に増殖した。トランスフォーミング成長因子ベータ(1 ng/ml)添加の無い状態では有意なリン酸化Smad2とリン酸化p38は検出されなかった。トランスフォーミング成長因子ベータ(1 ng/ml)添加後、30分,60分、120分でのシグナル伝達の活性化を検討した。Smad2とp38のリン酸化が促進されたが、JNKとErkのリン酸化の亢進は観察されなかった。DAB発色免疫組織化学的にリン酸化Smad2とリン酸化p38は,主に細胞質に,一部細胞核に検出された。トランスフォーミング成長因子ベータ(1 ng/ml)に48時間暴露したB16悪性黒色腫細胞株ではビメンチンとI型コラーゲンの発現が増強したが、アルファ平滑筋アクチンの発現誘導は観察されなかった。ファイブロネクチンの発現亢進は観察されなかった。上皮細胞系では、トランスフォーミング成長因子ベータが細胞増殖を抑制したり、細胞死を誘導する場合が有る事が報告されているが、B16悪性黒色腫細胞株ではトランスフォーミング成長因子ベータ(1 ng/ml)、48時間暴露においてアポトーシスに落ちいって死滅する事は無かった。B16悪性黒色腫細胞株では、トランスフォーミング成長因子ベータが部分的な上皮―間葉系移行が誘導されると思われたが,筋線維芽細胞の誘導に至る事はないと考えられた。
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