2012 Fiscal Year Research-status Report
炎症時に涙腺組織内で上昇するプロテアーゼは涙液分泌を促進するか?
Project/Area Number |
23592585
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
木村 桂 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10364358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋野 朝幸 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (40305991)
佐藤 洋一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40118253)
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Keywords | 涙腺 / プロテアーゼ活性化型受容体 / 外分泌 / calcium entry / 細胞内カルシウムイオン / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
Protease-activated receptor (PAR)は、特定のプロテアーゼによって活性化されるGタンパク共役型7回膜貫通型受容体であり、この受容体は外分泌腺上皮細胞に存在すると言われており、種々の機能制御に関与している。我々は以前に、細動脈、及び上頸神経節でのPAR受容体の反応性について報告している。ラット涙腺でのPARの機能についてもカルシウムイメージング法を用いて検討することとした。RT-PCRでは 涙腺ではPAR-2受容体のみ発現が認められた。これを示唆するようにPAR-1,3,4のアゴニストのトロンビンでは反応を認めないのに対し、トリプシンや PAR-2アゴニスト(PAR2-AP)の投与によって[Ca2+]iの上昇を認めた。PAR2-AP刺激で光学顕微鏡では拡大した腺腔と開口放出像が確認された。 [Ca2+]iの上昇は、細胞外のCa2+除去によっても消失せず、Gd3+投与によっても抑制されなかった。また、PLC抑制薬のU73122やIP3受容体阻害剤のXestospongin Cでもこの反応は阻害されなかった。capacitative calcium entry (CCE)を抑制する低濃度Gd3+やcalyculin Aの投与でCa2+流入は完全抑制されず、NOのdonorの投与では相反してCa2+流入の増強を認めた。TRPC受容体についても検討したところ、TRPC1,3,6の発現が確認された。以上の結果から、PAR-2は細胞内ストアを刺激して[Ca2+]iの上昇を引き起こすが、これはIP3非依存性の反応と考えられる。 また、細胞外からのCa2+流入は、CCEとNCCEが協調している可能性が示唆されるが、結果からNCCEの方が優位に働いている可能性があり、TRPC6受容体が強く発現していることからもこのことが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度から引き続いて研究を行っているが、ほぼ順調に結果が得られている。今までに得られた結果を統合し、これまでわかっていなかったPAR2の反応機構について検討した結果を国際雑誌に発表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
次に、このPARがどのように外分泌機構に関わっているかをさらに検討することとする。特にシェーグレン症候群のモデル動物を用いて、さらなる反応機構について研究していくこととしたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シェーグレン症候群のモデル動物の購入、さらにPAR2の反応機構をさらに深く検討する必要があり、申請した金額については妥当であると考える。さらに得られた結果を報告していきたい。
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Research Products
(5 results)