2012 Fiscal Year Research-status Report
角膜上皮細胞における紫外線暴露によるp38活性化と上皮間葉系移行と細胞死の制御
Project/Area Number |
23592591
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
加藤 直子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究, 病院, 講師 (20398605)
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Keywords | 角膜上皮細胞 / 紫外線 / 上皮間葉系移行 / アポトーシス / 酸化ストレス |
Research Abstract |
当該実験では、マウス培養角膜上皮細胞株(TKE2)とヒト初代培養角膜上皮細胞に紫外線を照射し、p38活性化を介した細胞内シグナルの同定を行う。シグナル伝達経路が同定出来たら、次ぎはヒト培養輪部角膜上皮細胞を用いて、シグナル伝達経路の再現性を確認、さらにはヒト輪部組織の器官培養やin vivoでのマウス角膜への紫外線照射を行い再現性を確認し、同様にTKE2とヒト初代培養角膜上皮細胞に紫外線を照射し、p38を介する細胞死または増殖への細胞内シグナルの同定を行い、両者のp38活性化に伴ったシグナル伝達系がお互いに影響し合っていることと、相互作用を起こす場所を証明する。その結果、角膜上皮細胞の表現型がどう変化するかを確認する予定である。 前年度までの実験で、角膜上皮細胞株に紫外線照射を行ったが、細胞の膜タンパクであるEカドヘリン、βカテニンが減弱し、snailのmRNAの転写が増加することは明らかになったが、その後の上皮間葉系移行のマーカーが増加せず、また細胞の形態変化も明らかではなかった。 これまでの結果から、紫外線照射単独では上皮間葉系移行を引き起こす刺激としては不十分であると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
紫外線照射に伴い、予想した変化が起きなかったことにより、細胞内シグナル伝達系の解明が進まず、従ってin vitroの実験が遅れているためin vivoの実験への移行が同時に遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
紫外線照射単独では細胞への形態変化や増殖活性を持続的に引き起こす刺激としては不十分であることが明らかとなったので、今後はより生体の眼表面の状態に近づけるよう、複数のサイトカインを組み合わせて添加し、実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は、実験に使用する消耗品の購入、結果発表のための旅費、論文作製のための校閲料等に使用する予定である。
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