2012 Fiscal Year Research-status Report
未熟児網膜症における病態研究と抗血管内皮細胞増殖因子療法の検討
Project/Area Number |
23592597
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
日下 俊次 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (60260387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國吉 一樹 近畿大学, 医学部, 講師 (30234470)
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Keywords | 未熟児網膜症 / サイトカイン / VEGF / 硝子体 / 抗VEGF治療 |
Research Abstract |
未熟児網膜症は小児失明原因の第二位(柿澤敏文ら:心身障害研究, 26, 163-175, 2002)を占める重要な疾患である。未熟児網膜症は低出生体重児に伴う網膜血管発達の未熟性とそれに基づく虚血が根底にあり、そこに酸素投与等の要因が加わることで網膜新生血管が発生、重症例では牽引性網膜剥離を来たして失明に至ることが知られているが、その病態や発症に関する詳細なメカニズムについては十分に解明されたとは言い難い。 本研究ではこれらの背景を踏まえ、未熟児網膜症の患児から採取した硝子体液を用いて未熟児網膜症の病態の分子レベルでの理解を深めること、そして未熟児網膜症発症に対する抗VEGF抗体であるbavacizumab投与後の薬物動態の解析、さらにbavacizumab投与を行った未熟児網膜症患者の視機能の検討を行うことを予定した。本年度までに未熟児網膜症患者から手術時に採取した硝子体サンプルを用いて解析を行った。その結果、未熟児網膜症眼の硝子体中にはIL-6, IL-7, IL-15, Eotaxin, RANTES, VEGFの濃度が対照群(先天白内障症例の硝子体)より高いことが判明した(p<0.05)。さらに未熟児網膜症眼を疾患活動性が高い群と低い群に分けると両者の間ではVEGFのみが有意に疾患活動性が高い群で高値であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで採取した34眼中、サンプル量が十分にあり測定可能であった27眼についてはBio-plexによる解析を終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで未熟児網膜症に対してbevacizumab投与を行った症例に対して視力測定、光干渉断層計撮影(OCT)、皮膚電極を用いた網膜電図測定、立体視検査を予定している。視力は通常のランドルト環を用いた字一つ視力、Teller Acuity Card、森実式のうち患児の年齢等に応じて最適なものを選択して測定する。未熟児網膜症例におけるOCTを用いた検討では急性期では網膜分離症が見られるとの報告が見られるが、瘢痕期における知見は乏しいので、黄斑形態と視力との関係、網膜分離症の有無等に的を絞って検討する。網膜電図測定は低年齢児でも測定可能な皮膚電極を用いて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
対象となる症例の管理(予約調整、検査スケジュールの調整等)のための助手の賃金、データ解析のためのソフトウエア、種々の消耗品の購入を予定している。
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Research Products
(21 results)