2012 Fiscal Year Research-status Report
網膜の発生・維持・疾患におけるOct-3/4遺伝子の役割
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23592606
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小阪 美津子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50270476)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
網膜視細胞で特異的に過剰発現させるマウスを作製するためのコンストラクトを作製した。視細胞特異的転写調節因子であるCrx遺伝子およびRx遺伝子プロモーターを単離しOct3/4v遺伝子(B、C型)cDNAにつないだプラスミドを構築して、トランスジェニックマウスの作成を試みた。現在いくつかのF1ラインが単離されつつあり、これらのマウスの網膜組織の発生に及ぼす影響、腫瘍形成等の疾患の誘発などを組織学的に解析することで計画の一部が実施可能となる。予備的結果によると、C型遺伝子を視細胞で過剰発現させると、網膜組織の明確な異常が認められており興味深い結果を得つつある。 網膜内Oct3/4v遺伝子発現細胞の性状解析を進める過程で、このトランスジェニックマウスに導入されているトランスジーン内のOct3/4遺伝子上流プロモーター配列の一部に組換が生じており本来のmother geneのゲノムDNA配列と一致しない領域があることが判明した。すでに発現細胞をEGFP蛍光を指標に分離・濃縮して培養下での挙動を解析しつつあるが、この組み換えによる人工的影響を完全に否定できないことから、今回、新たにゲノムからOct3/4 promoterの単離を開始することにした。この部分は想定範囲外の内容ではあるが、今後の解析上重要なポイントとなりえるため、今年度に優先して取り組んだ。その結果、目的の配列が単離できたため引き続きコンストラクト作成を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
利用する予定のトランスジェニックマウスのトランスジーンの配列中の一部に組換が起こっていることが判明したことから、計画変更を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在得られつつある強制発現系マウスの解析を進めながら、新たに必要となったトランスジェニックマウスの作成を中心に進める。発現細胞の培養系による多能性実証は現存マウスを用いた解析を継続するが、新規マウスが得られた時点でその個体を用いて再検証を行う予定である。それ以外は計画どおり推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた実験動物のトランスジーンの配列に予期せぬ組み換えが生じており解析には新たなトランスジェニック系統の樹立が必要と考えられたため、今年度の計画に含まれていた動物を用いた解析を実施せず、次年度(最終年度)に新たな系統樹立とその解析にかかる費用を計上した。具体的には遺伝子解析用分子生物学試薬、細胞培養用試薬、プラスチック製品等の消耗品、および動物作成と維持費用に使用する。
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Research Products
(3 results)