2011 Fiscal Year Research-status Report
傷害網膜に誘導された組織幹細胞の機能発現とその眼内制御機構に関する研究
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23592610
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
福島 美紀子 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 准教授 (10284770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 康裕 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (70380996)
行徳 雄二 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (10420639)
井上 俊洋 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (00317025)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 眼科学 / 眼発生・再生医学 / 眼細胞生物学 |
Research Abstract |
・Fluoresence Activated Cell Sorter(FACS)を用いた網膜幹細胞の単離FACSで二次元展開して得られるside population(SP)細胞の獲得をマウス胎仔網膜、成体毛様体で試みた。マウス胎生16日網膜ではSP細胞が同定され、これらを浮遊培養したところ、ニューロスフェア様の細胞集団塊が得られた。これら一次スフェア細胞を分離し、再度、浮遊培養し、二次スフェアの形成を観察したが、二次スフェアの形成は認められなかった。一次スフェア細胞を培養皿で培養し、分化させた後、細胞を網膜、神経特異的抗体を用いた免疫染色を用いて同定したところ、視細胞マーカーであるロドプシン陽性細胞が認められた。成体毛様体ではスフェアアッセイにより一次、二次スフェアを得ることができ、網膜特異的ニューロンへの分化が確認された。・網膜幹細胞分化に関わる分子の探索(1) 疾患モデル動物に関与する分子群の解析:angiopoietin-related proteins (ARPs)のひとつ、ARP4の発現上昇によりが網膜血管発生、病的血管新生において血管内皮細胞の増殖を抑制し、血管壁の病的な漏出も改善されることが明らかになった。糖尿病網膜症の眼内臨床サンプルにおいてもARP4の発現が認められた。また炎症性サイトカインであり、神経幹細胞、網膜分化に影響が知られているIL-6が眼疾患モデル動物、さらに白内障術後の眼内で発現が上昇していることが明らかになった。(2)神経細胞の生存・維持に影響する分子の解析:神経細胞の生存に関わる神経栄養因子の軸索輸送に関して、生体内での輸送を可視化できるモデル動物を作成し、その障害のメカニズムを解析する実験系を確立させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
疾患において発現上昇する分子の探索に関しては疾患モデル動物と疾患サンプルの解析により計画通り進展している。網膜幹細胞は神経幹細胞と比較して、増殖能が低く、現在のFACSを用いた方法では単離される細胞の量が限られていることから、単離法の開発が必須で、現在、パンニング法等の検討を行なっている。また昨年度新たに神経生存に関わる神経軸索輸送の可視化が可能になったことで、新たな実験系が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
網膜幹細胞の単離効率を挙げるため、パンニング法など新たな単離法を確立させる予定である。疾患モデル解析をすすめ新たな分子機構を明らかにし、網膜幹細胞への影響をみる。影響の検討において現時点でin vitroの解析にとどまっており、今年度はin vivoの実験を進め、臨床応用に近い形での解析を展開させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度に引き続き疾患において発現上昇する分子の探索を行なう。網膜移植において色素上皮の関与も重要視されてきていることから網膜色素上皮の細胞生物学的解析を加え、特に難治網膜増殖疾患における網膜幹細胞移植の効果を検討する。網膜傷害モデルに幹細胞移植を行ない、IL-6の影響をみる。
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Research Products
(6 results)