2013 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素変性症患者から樹立したiPS細胞の遺伝子治療および病態モデルサルへの移植
Project/Area Number |
23592616
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
吉田 哲 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (00365438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 洋子 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90265885)
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Keywords | iPS細胞 / 網膜色素変性症 |
Research Abstract |
網膜色素変性症は失明にいたる可能性がある眼科疾患であり、世界中で様々な研究がなされているものの効果的な治療法の開発にはいたっていない。そこで、申請者は網膜色素変性症患者から樹立したiPS細胞をもちいて、疾患の進行を抑制する薬剤のスクリーニングを行なった。 網膜色素変性症では、2種類の視細胞のうち悍体細胞が脱落する。そこで、iPS細胞を悍体細胞に分化誘導して解析するが、悍体細胞に分化したかどうかを確かめるために、桿体細胞に特異的に発現する遺伝子Nrlのプロモーター調節下でGFPを発現する発現コンストラクトをiPS細胞に導入し、GFPの発現を指標にした。コンストラクトをiPS細胞に導入するのは、アデノウイルスベクターを用い、GFP陽性細胞の解析はフローサイトメーターを用いた。 我々はすでにロドプシンに突然変異を持つ網膜色素変性症患者からiPS細胞を樹立していた。この細胞を悍体細胞に分化誘導し、上記の系を用いることにより、患者由来のiPS細胞から分化誘導した悍体細胞はアポトーシスにより細胞死をおこすことを確認した。さらに、細胞死を抑制する薬剤のスクリーニングをおこなったところ、他の疾患で薬品として認可されているラパマイシンに効果があることが明らかとなった。 本研究により、ロドプシン変異が原因となる網膜色素変性症の進行を抑制するためにはラパマイシンの投与が誘導であることが示唆されたことにより、今後、臨床に応用できるように研究を進めていきたいと考えている。これらの結果は、現在、論文投稿中である。
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