2011 Fiscal Year Research-status Report
脂肪組織由来幹細胞を用いた気管軟骨再生法に関する研究
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23592628
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
臼井 規朗 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30273626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 雅史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20403074)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 気管軟骨 / 再生医療 / 幹細胞 |
Research Abstract |
小児の気管軟骨の再生には多量の細胞源を必要とする。本課題では実験動物及びヒトの脂肪組織由来幹細胞(ASC)を軟骨細胞に分化せしめ、研究代表者らが考案したin vitroで軟骨細胞シートを回転培養して管状軟骨構造体を再生させる方法を応用し、ASCから軟骨管状構造体を再生させることを目的とした。 平成23年度は、家兎ACSの採取・保存と同定を行った。実験動物にNew Zealand White Rabbitを用い、頚部、腋窩および腹部から皮下脂肪組織を採取した。脂肪組織を洗浄の後コラゲナーゼtype IIを用いて融解した。70μmナイロンメッシュで細胞を分離し、10%FBS+DMEM中で37℃、5%CO2の条件下で接着細胞を選択的に培養した。p2の代で細胞を分離し、フローサイトメトリーにてASCであることを確認した。また、ASCを1×106/mlの濃度で-80℃で凍結保存し、解凍後にp3のASCとして培養可能であることを確認した。 次に家兎ASCから軟骨細胞への分化実験を行った。上記ASCを増殖し、トリプシン処理して細胞を回収し、1.0×106/ml、2.0×105/ml、4.0×104/mlの細胞密度で培養器に播種して4週間継続培養して細胞シートを作製した。培養液として1)DMEM+10%FBSと、2)軟骨細胞分化用培養液(DMEM+1%FBS、TGF-β1、insulin、transferrin、dexamethasone)を用いた。また培養環境として5% O2の低酸素条件を用いた。結果:2)の培養液を用いても、軟骨細胞に分化途上のsphereの形成までは認められたが、細胞が均一に重合した軟骨細胞シートは形成されなかった。低酸素条件でも同様であった。ACSから軟骨細胞への分化が十分でないためと考えられ、今後培養液への添加物や培養条件を検討する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
家兎ASCを分離・確認し、p2で冷凍保存・復活できるところまでは達成できた。しかし、当初用いた培養液および培養条件では、軟骨細胞への分化途上と思われるsphereまでは形成されたが、均一な細胞シートを形成するには至らなかった。その理由として、ASCから軟骨細胞への分化条件が不十分であり、現時点では繊維芽細胞への分化の条件が勝ってしまっていると考えられる。今後、添加する蛋白や様々な細胞培養条件を検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、培養液に添加する因子としてBMP-2、BMP-6、BMP-7、FGF-2、TGF-β2、TGF-β3などについても試み、さらに幹細胞から軟骨細胞への分化促進因子として、播種細胞密度、低酸素状態、少量の軟骨細胞の添加、軟骨基質の添加などを試みて、軟骨細胞が均一な細胞シートを形成する条件を策定していく必要がある。 計画どおり細胞シートが形成できれば、これをシリコンシートに巻いて回転培養を行い、当初の計画どおり、組織学的検討(HE染色、サフラニン-O染色、II型コラーゲンおよびI型コラーゲンの免疫組織化学染色)を行う。軟骨基質の組成についてはグリコサミノグリカン含有量を測定する。物性強度についてはレオメーター(Compac-100 II, Sun Scientific社製)を用いて、圧縮強度およびヤング率を測定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ASCを用いて軟骨細胞シート形成するまでの軟骨細胞への分化促進を工夫する必要がある。TGF、FGF、IGF、BMPなどのいくつかの有望な分化促進因子が報告されているが、これらのrecombinantの製品はいずれも高価な薬品であるため、当初の計画より分化因子の薬品に充当して使用する必要がある。その他については、当初の計画どおり実験動物費および細胞培養の費用に充当する。
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