2011 Fiscal Year Research-status Report
横紋筋肉腫に対するヘッジホグシグナルの阻害による増殖・浸潤・転移抑制に関する研究
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23592629
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大植 孝治 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50314315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 正洋 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60165272)
上原 秀一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00448060)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 横紋筋肉腫 / ヘッジホグシグナル / Gli-1 / 阻害剤 / Cyclipamine / Forskolin / 細胞増殖 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
横紋筋肉腫由来の細胞株RMS-YM、RD、RH30の3株を用い、ヘッジホッグ(Hh)シグナル阻害剤を用いて細胞増殖の抑制実験を行った。Hhシグナルを特異的に阻害する薬剤としてCyclopamine(Sigma-Aldrich, St Louis, MO, USA) 及びForskolin(Sigma-Aldrich, St Louis, MO, USA)の2種類を用い、それぞれ培養液中の濃度が5 mM、 10 mM、 25 mM になるように調整し、阻害剤を含まない培養液をコントロール群として計7群を作成した。まず、シグナル活性化の指標とされるGli1遺伝子の発現が抑制される抑制実験を行うったところ、阻害剤によりGli-1の発現低下が認められた。次に、細胞増殖抑制効果をWST assayにより検討した。96 wellのプレートに各細胞を5000/ 100μlの割合で撒き、0,1,2,3,5,7日後にWST assayを行ない、各Hhシグナル阻害薬の濃度別に細胞増殖曲線を作成したところ、各細胞株において、Hhシグナル系阻害薬によりdose-dependentに細胞増殖の抑制が認められた。また、Apoptosisの出現をApoptosis Detection Assayにより行ったところ、ヘッジホッグシグナル阻害剤の添加により、Apoptosisの増加が認められた。以上の結果から、ヘッジホッグシグナル系は横紋肉腫の増殖に深く関わる因子であることが示唆され、ヘッジホッグシグナル阻害剤の分子標的治療薬としての可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Hedgehog阻害剤を用いたIn vivo及びIn vitroでの増殖能抑制実験はほぼ終了し、予測通りの結果が得られ、中間報告として成果をまとめ、学会にて報告する予定である。また In vitroでの浸潤能抑制実験も開始し、今のところ予測通りの結果がでつつある。SiRNAを用いた抑制実験に関しては、SiRNAの条件設定に難渋し、阻害剤を用いた実験程順調に進んでいないが、阻害剤を用いた実験でも一定の結論は得られると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、Hedgehog阻害剤を用いたIn vivo及びIn vitroでの浸潤能抑制実験を予定通り進める予定である。さらに、現時点で得られた結果は順次学会発表し、論文にまとめてゆく。SiRNAを用いた抑制実験に関しては、SiRNAの条件設定に難渋し、阻害剤を用いた実験程順調に進んでいない件であるが、別のSiRNAを購入して試してみる予定であるが、高価であり予算に限りがあるので、阻害剤を用いた実験を推進してゆく方が効率的である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Gli1に対するsiRNAの小児腫瘍細胞株への導入は本研究の骨子となる部分であり、siRNA作成、購入にかかる費用として、22年度に40万円を使用予定である。また小児腫瘍細胞株の培養を継続する必要があるため、培養液など培養細胞関連試薬として40万円を使用予定である。また遺伝子導入用試薬として20万円を、遺伝子の発現を測定するために行なうRT-PCRやWestern blotに使用する試薬として20万円を使用予定である。いずれも本研究の遂行に不可欠であり、妥当であると考える。
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Research Products
(7 results)