2013 Fiscal Year Annual Research Report
小児横紋筋肉腫における癌幹細胞の同定と免疫療法に向けた基礎的研究
Project/Area Number |
23592630
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上原 秀一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00448060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福澤 正洋 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (60165272)
大植 孝治 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50314315)
野村 元成 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), その他部局等, その他 (40546909)
中畠 賢吾 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (50643532)
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Keywords | 小児がん / 癌幹細胞 / 横紋筋肉腫 / ALDH1 |
Research Abstract |
平成24年度まで横紋筋肉腫細胞株を無血清培地で継代培養を行うことで、胞巣型横紋筋肉腫(aRMS)の癌幹細胞の同定を試みてきたが、そこから治療のターゲットとする分子、マーカーを同定することが手法的に困難となってきた。そこで本年は成人領域の癌幹細胞マーカーとされるアルデヒド脱水素酵素1(ALDH1)を指標にして小児悪性固形腫瘍の癌幹細胞を同定する研究を行った。横紋筋肉腫においてALDH1活性上昇細胞群が癌幹細胞の性質を有するかについて、活性上昇群と非上昇群におけるコロニー形成能、多分化能、薬剤耐性能、造腫瘍能を比較検討した。まず胎児型横紋筋肉腫細胞株RDを用いて、ALDH1活性上昇細胞群は全体の5.8%であった。コロニー形成能は、活性非上昇群では平均21.3個であったのに対し、活性上昇群では平均36.3個と著明に亢進した。またRDにおいて、ALDH1活性上昇細胞群は高いコロニー形成能、薬剤耐性能、多分化能を持ち、さらに造腫瘍能の亢進を認めることを明らかにし、癌幹細胞の性質を有する可能性が示唆された。しかしその一方で、ALDH1は正常細胞でも発現しているため、ALDH1単独では治療対象とならない可能性がある。そこで臨床応用可能な癌幹細胞マーカーを同定するため、活性上昇群と活性非上昇群のcDNAを採取し、DNAマイクロアレイを用いた網羅的遺伝子解析を施行した。その結果、活性上昇群において血小板由来成長因子であるPDGF-Bの発現が亢進しており、それが癌幹細胞の性質維持に関与している可能性が示唆された。一方PDGF受容体の発現に差は認めないものの、PDGF受容体(PDGFR)阻害剤であるKi11502を投与したところRD細胞の生存率は濃度依存的に低下した。よってPDGFRを治療標的にすることにより、RDにおける癌幹細胞の制御につながることが明らかになった。
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[Journal Article] Low serum concentrations of anti-Mullerian hormone are common in 53 female childhood cancer survivors2013
Author(s)
Miyoshi Y, Ohta H, Namba N, Tachibana M, Miyamura T, Miyashita E, Hashii Y, Oue T, Isobe A, Tsutsui T, Kimura T, Ozono K
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Journal Title
Horm Res Paediat
Volume: 79
Pages: 17-21
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Bilateral Wilms’ tumors treated according to the Japan Wilms Tumor Study Group protocol2013
Author(s)
Oue T, Fukuzawa M, Okita H, HorieH, Saito M, Nozaki M, Chin M, Nakadate N, Hinotsu S, Koshinaga T, Kaneko Y, Tanaka Y
Organizer
Congress of the International Society of Paediatric Oncology SIOP(45)
Place of Presentation
Hong Kong (中国)
Year and Date
20130925-20130928
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