2011 Fiscal Year Research-status Report
創傷治癒過程における酸化ストレス応答タンパク質Trim16の分子機能
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23592641
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
足立 孝二 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70572569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蕨 栄治 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70396612)
柳川 徹 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10312852)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
創傷治癒 wound healingは、生体に生じた損傷が実質細胞の再生と細胞外マトリクスの産生を介し修復される過程である。その調節にはIL-1、IL-6をはじめとしてTGF-βなどのサイトカインが深く関与し、急性期反応、滲出期の炎症細胞の遊走、血小板による止血作用や生理活性物質の分泌を経てから、修復期、増殖期の血管新生、線維芽細胞増殖、肉芽組織形成となり、瘢痕期でコラーゲンが架橋されるという転帰をたどる。従来、それらの治癒機転についての各段階での検討を行っていたが、創傷治癒の開始点である受傷時のストレスから始まり、治癒過程における免疫応答のストレスなどの治癒過程における一連の創部環境のストレスの変化という視点から考えることは少なかった。我々は創傷治癒におけるストレス遺伝子の働きを、遺伝子欠損(KO)マウスを用いて解析してきた。その中で、新たに酸化ストレス応答遺伝子として見出したTrim16の遺伝子欠損マウスの皮膚は、紫外線障害などの外因性ストレスに非常に弱いことを見出した。すなわちTrim16は皮膚におけるストレス制御に重要な役割を持つと考えられる。そこで本研究は、皮膚創傷治癒過程におけるTrim16の影響、役割を分子レベルで明らかにすることを目的とする。本年度は、Trim16 の創傷治癒過程における機能を解析するために、野生型、Trim16欠損マウスの胎児由来線維芽細胞(MEF)の樹立を試みた。しかし、Trim16欠損マウス由来のMEFは増殖速度が野生型マウスの細胞と比べて著しく低く、安定した性質を持つ細胞株を得ることが出来なかった。これにより細胞増殖にTrim16が何らかの重要な役割を果たしていることが考えられた。創傷治癒過程の解析のためsiRNAによるノックダウンを試みた。その結果、効率よくTrim16の発現を抑制する実験系を作製することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Trim16の創傷治癒過程における機能を明らかにするために必要な細胞の樹立を試みた結果、Trim16ノックアウトマウス由来の細胞は増殖が不良であり樹立することが出来なかったが、野生型マウス由来の細胞をsiRNA処理することによりTrim16を効率よくノックダウンする細胞を調製することが出来た。また、Trim16は細胞増殖に対し、何らかの重要な役割を持つことを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
siRNAによるTrim16ノックダウン細胞を用いて、創傷治癒過程(scratch wound healing)、紫外線照射、様々なストレス剤に対する応答を分子生物学的、生化学的に解析して行く。また、増殖速度に対する影響についても詳細な検討を加える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬、消耗品の購入、マウスの飼育管理費に充てる。
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