2011 Fiscal Year Research-status Report
ファイブロサイト及び関連幹細胞による皮弁生着・延長、創傷治癒の新規治療法の開発
Project/Area Number |
23592649
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉本 浩 長崎大学, 大学病院, 助教 (90513309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 定伯 長崎大学, 大学病院, 助教 (90315250)
林田 健志 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター(臨床研究センター), 形成外科, 医師 (50599933)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ファイブロサイト / 幹細胞 / 皮弁生着 / 皮弁延長 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
まず近交系マウス(BALB/C、雌)から採取した全血より単核球細胞分画を採取しフローサイトメトリーでFibrocyteの膜表面マーカーであるCD45,CD34,ビメンチンがすべて陽性の細胞を確認したが陽性細胞数は少量であった。陽性細胞が少なかったため、マウスの全血より単核球細胞分画を採取し、細胞培養を行った。Fibrocyteの細胞培養を行ったが、増殖スピードが遅かったので、培養条件を変えて培養し一定の細胞数が得られるようになった。培養増殖した細胞が培養条件で膜表面マーカーの発現が違うかフローサイトメトリーで解析中である。Fibrocyteの性質を維持したままで培養増殖できる培養条件を確立することは、今研究だけでなく今後のFibrocyteを使用する研究にも有用と思われる。創傷モデルとしてマウスのリンパ浮腫モデルを作成した。具体的にはマウスの鼡径部から後肢の皮下および軟部組織を主要血管のみを温存して全周性に顕微鏡下で剥離しリンパ浮腫が発生するようにモデルを作成した。作成したリンパ浮腫モデルは肉眼的に浮腫を認めるだけでなく、蛍光色素を使ったリンパ管蛍光造影法でリンパ管の断絶とリンパ液の鬱滞を確認した。次にマウスの脂肪から抽出し培養増殖した脂肪幹細胞をリンパ浮腫モデルのマウスに移植し創傷治癒促進やリンパ浮腫の改善、リンパ管再生などの効果を検討中である。リンパ浮腫モデルへの幹細胞の移植は創傷治癒の検証だけでなく各種癌の術後に発生するリンパ浮腫の新規治療法の開発につながると考えられfibrocyteや脂肪幹細胞など移植し効果を検証していきたい。 また同時に皮膚欠損モデルおよび皮弁作成モデルにも投与し皮弁生着・延長効果や創傷治癒促進について検証し新規治療法の開発につなげたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fibrocyteのin vitroでの解析はおおむね予定通り進行中である。Fibrocyteの培養を行ったが、増殖スピードが遅く、培養条件を変えて培養増殖を試みて、当初より予定が遅くなったが、その間リンパ浮腫の創傷モデルを作成し脂肪幹細胞を移植し解析中であり、今後はFibrocyteも移植予定でありおおむね順調に進展していると思われます。
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Strategy for Future Research Activity |
Fibrocyteを分離培養増殖し皮膚欠損モデルやリンパ浮腫モデルおよび皮弁作成モデルなどの動物モデルに移植して解析する。ヒトあるいはマウスからFibrocyteを分離増殖し分化能や遺伝子及びタンパクの発現を評価する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物や試薬の購入および研究会への参加費などに使用する予定である
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