2012 Fiscal Year Research-status Report
ファイブロサイト及び関連幹細胞による皮弁生着・延長、創傷治癒の新規治療法の開発
Project/Area Number |
23592649
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉本 浩 長崎大学, 大学病院, 助教 (90513309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 定伯 長崎大学, 大学病院, 助教 (90315250)
林田 健志 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 形成外科, 研究員 (50599933)
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Keywords | ファイブロサイト / 幹細胞 / 皮弁生着 / 皮弁延長 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
まず近交系マウス(BALB/C、雌)から採取した全血より単核球細胞分画を採取しフローサイトメトリーでFibrocyteの膜表面マーカーであるCD45,CD34,ビメンチンがすべて陽性の細胞を確認したが陽性細胞数は少量であった。陽性細胞が少なかったため、マウスの全血より単核球細胞分画を採取し、細胞培養を行った。 Fibrocyteの細胞培養を行ったが、増殖スピードが遅かったので、培養条件を変えて培養し一定の細胞数が得られるようになったが、肉眼的形態及びフローサイトメトリーでの解析では、Fibrocyteの性質を維持した細胞は少なく、分化して幹細胞の性質を失った細胞が多く認められた。Fibrocyteの性質を維持したままで培養増殖できる培養条件を確立することを検討中である。 創傷モデルとしてマウスの下肢リンパ浮腫モデルを作成した。具体的にはマウスの鼡径部に30Gyの放射線を照射し1週間後、鼠径周囲を全周性に切開し顕微鏡下でリンパ管を焼灼抜去し、皮膚縫合は皮膚が連続しないように隙間ができるように筋肉に縫合し、リンパ浮腫モデルを作成した。 作成した下肢リンパ浮腫モデルに細胞を移植しない群ではリンパ管の再生は認めなかったが、脂肪幹細胞を注入した群では、蛍光色素を使ったリンパ管蛍光造影法でリンパ管の再生を確認した。その成果は日本形成外科基礎学術集会で報告した。幹細胞移植によりリンパ浮腫を改善した本法は今後のリンパ浮腫改善の新規治療法の開発につながると考えられる。 また当初皮弁作成モデルにより幹細胞の投与の効果を判定する予定であったが、皮弁作成モデルより血流の回復が肉眼的にわかりやすい下肢の虚血モデルも作成中である。今後下肢虚血および皮弁作成モデルに幹細胞を投与し皮弁生着や延長効果、血流改善効果および創傷治癒促進について検証し新規治療法の開発につなげたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Fibrocyteの培養を行っているが、Fibrocyteの性質を維持したまま増殖している細胞数が少なく、移植する細胞数に足りないため、現在培養条件を調整し検討中である。 すでにマウスの下肢リンパ浮腫の創傷モデルを作成しFibrocyteではなく脂肪幹細胞を移植しリンパ管の再生を確認し学会で発表を行った。今後はFibrocyteの性質を維持したまま培養増殖が可能になれば同モデルに移植予定である。また、下肢虚血モデルを作成し、まずは脂肪幹細胞を移植する予定もあり、おおむね順調に進展していると思われます。
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Strategy for Future Research Activity |
Fibrocyteを分離培養増殖し、増殖した細胞がFibrocyteの性質を維持していることを確認後、下肢リンパ浮腫モデルおよび下肢虚血モデルに移植する。Fibrocyteを分離増殖が、直ちにうまくいかない場合は、下肢虚血モデルに脂肪幹細胞を移植する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物や試薬の購入および研究会への参加費などに使用する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] One-stage simultaneous skin grafting with artificial dermis and basic fibroblast growth factor successfully improves elasticity with maturation of scar formation2013
Author(s)
Hamuy R, Kinoshita N, Yoshimoto H, Hayashida K, Houbara S, Nakashima M, Suzuki K, Mitsutake N, Mussazhanova Z, Kashiyama K, Hirano A, Akita S.
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Journal Title
Wound Repair and Regene
Volume: 21(1)
Pages: 141-154
DOI
Peer Reviewed
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