2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヒアルロン酸とコラーゲン及び上皮細胞成長因子を組み合わせた新規癒着防止膜の開発
Project/Area Number |
23592653
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
根本 充 北里大学, 医学部, 講師 (20276083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊澤 憲一 北里大学, 医学部, 助教 (60383618)
黒柳 能光 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80170140)
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Keywords | 癒着防止膜 / 手外科 / 腱損傷 / コラーゲン / ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
本研究はヒトの手指屈筋腱構造と類似するニワトリの第3趾の屈筋腱を用いて実験モデルを作成し、癒着防止膜の腱縫合部への治癒促進効果と癒着防止効果を明らかにすることを目的とした。平成23年度の腱鞘損傷モデルでヒアルロン酸/コラーゲン癒着防止膜の肉眼的、組織学的な癒着防止効果が確認できたので、その成果を第55回日本手外科学会学術集会で発表した。平成24年度は屈筋腱縫合モデルに癒着防止膜を適用して癒着防止効果について評価を行った。腱縫合モデルにおいても癒着防止膜が腱縫合部と健常組織間に肉眼的、組織学的に介在しており、癒着防止効果が確認できたので、これらの研究成果を第56回日本手外科学会学術集会にて発表した。しかし、関節可動域検査において癒着防止膜を適用したニワトリは健常なニワトリの関節可動域と比べると大きな隔たりがあり、平成25年度は関節可動域制限の原因検索を行った。zoneII(いわゆるno man’s land)屈筋腱断裂に相当するMP~PIP関節間の腱断裂モデルに加え、zoneI(深指屈筋腱単独レベル)での屈筋腱断裂モデルを作成して検討した。zoneIはzoneIIに比べ関節可動域が得られたが経時的に関節可動域が制限されてくるため、ニワトリ屈筋腱縫合モデルにおいても早期可動域訓練の必要性(固定期間短縮)が示唆された。よって、固定期間を短縮したモデルを追加作成し、縫合部の経時的な力学的強度(1N負荷)を測定し、縫合直後から術後4週まで期間では力学的強度に問題を生じないことを確認した。今後の推進方策は早期運動療法を前提とした腱縫合モデルに対する癒着防止膜の適用を検討する予定である。これまでの研究成果は平成26年10月に開催されるAsian Pacific Federation of Societies for Surgery of the Hand(マレーシア)で発表予定である。
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Research Products
(1 results)