2013 Fiscal Year Research-status Report
創傷治癒過程における炎症細胞の役割を探るー人工皮膚モデルを用いてー
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23592656
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
加王 文祥 昭和大学, 医学部, 准教授 (10327893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門松 香一 昭和大学, 医学部, 講師 (90317529)
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Keywords | ヒト皮膚モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は今まで使用してきた人工皮膚材料にさらに組織工学的手法を用いて免疫細胞を加えヒト皮膚モデルとし、これに対して創傷を作製して実際の皮膚における創傷治癒過程をシミュレーションして解明するとともに、その過程において培養液中に各種創傷治癒因子を付加して創傷治癒反応の変化を調べることである。 昨年度は単球を付加したヒト皮膚モデルにフラクショナルレーザーを照射して創傷を作成した後の創傷治癒過程について、その創傷治癒の変化についての新たな病理組織的・免疫組織化学的検索を行うと共に、この成果について国内外の学会にて発表を行い、さらに論文作成及び投稿を行い日本形成外科学会誌に掲載された。 今年度は、成立した再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下「再生医療法」)及び再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律(再生医療推進法)に基づき、皮膚モデル作製プロトコールの検証並びに改訂を行った。 来年度は新しく改訂されたプロトコールに基づいた皮膚モデルを用いた試料を作成しての追加実験、さらにGMP基準に準拠した皮膚モデル作製法の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度は表皮内にメラノサイトを導入して肝班皮膚モデルとして使用できるものの作製に成功しており、この特許申請を優先したため本研究全体の進捗が遅れていたが、さらに今年度成立した再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下「再生医療法」)及び再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律(再生医療推進法)に基づき、皮膚モデル作製プロトコールの検証並びに改訂を行ったため、結果として研究全体の進捗が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
新しく改訂されたプロトコールに基づいた皮膚モデルを用いた試料を作成しての追加実験、さらにGMP基準に準拠した皮膚モデル作製法の検討を行う予定である。 このため従来からの病理学的手法とは直接関係のない定量PCR法、RT-PCR法による各種増殖因子、各種コラーゲンの遺伝子発現評価法を確立する。新たに他の炎症細胞に特有な染色法の中から、使用しているヒト皮膚モデルに用いることができる評価法を確立する。同時に標本内の炎症細胞をフローサイトメトリー等の方法で定量するが、これらの方法のうち組織への影響を正確に反映する本実験の評価方法として最適なものを探り、炎症細胞の各種定量法による組織への影響の評価法を確立する。 最後に、作製したヒト皮膚モデルにレーザーを照射して創傷を作製したのち通常の気相液相境界培養法で培養を継続する。照射前、照 射直後、照射後0.5, 1, 2, 4, 6, 8, 12, 18, 24時間, 2, 3, 5, 7, 10, 14日の時点で標本をハーベストしてその創傷治癒過程につい て上記の手法を用いて評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度成立した再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下「再生医療法」)及び再生医療を国民が迅速かつ安全に受けられるようにするための施策の総合的な推進に関する法律(再生医療推進法)に基づき、皮膚モデル作製プロトコールの検証並びに改訂を行った。これにより皮膚モデルを用いた試料の作成とこれを用いた実験の開始が遅れたため。 新しく改訂されたプロトコールに基づいた皮膚モデルを用いた試料を作成しての追加実験、さらにGMP基準に準拠した皮膚モデル作製法の検討を来年度に行うこととした。
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