2014 Fiscal Year Annual Research Report
高ブドウ糖環境下に於ける神経細胞・表皮細胞・線維芽細胞の機能的・形態学的解析
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23592659
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
松崎 恭一 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (20278013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 肇 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60193603)
冨岡 みゆき 聖マリアンナ医科大学, 医学部, その他 (90398967) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 高ブドウ糖 / 低ブドウ糖 / 表皮細胞 / Sortilin-1 / 糖尿病性神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
SortilinはproNGFと共にp75に結合すると、細胞死シグナルが細胞内へ伝達される。糖尿病の創傷治癒遷延に表皮細胞のsortilinが関与しているかを調べるため、培地中の糖濃度によって培養表皮細胞のsortilin遺伝子(SORT1) の発現量が変化するかを検討した。 [方法]無血清、無糖培地で24時間培養した表皮細胞を、0, 20, 40, 60, 100, 200, 400, 800 mg/dLの各種glucose濃度に調整した培地でさらに24, 48, 72時間培養した。各培養期間、糖濃度におけるSORT1の遺伝子発現量を、対応する培養期間の糖濃度100mg/dLにおけるSORT1の遺伝子発現量と比較した。 [結果]新たな培地での24時間の培養では、いずれの糖濃度においてもSORT1の遺伝子発現量は100mg/dLのSORT1の遺伝子発現量と有意差はなかった。培養後48時間では0mg/dLのSORT1の遺伝子発現量は100mg/dLのSORT1の遺伝子発現量に比べ高かった(p=0.002)。培養後72時間では0mg/dLのSORT1の遺伝子発現量は100mg/dLのSORT1の遺伝子発現量に比べ高度に有意に高かった(p<0.001)。 [考察]表皮細胞をhigh glucose培地で培養すると、細胞の増殖と分化、さらにcell mobilityが抑性されるため、培地中の糖濃度が高くなるとSORT1の遺伝子発現量が増加するのではないかと考えられたが、結果は予想に反して、high glucoseにおいても100mg/dLにおけるSORT1の遺伝子発現量と比べて有意な変化はなかった。一方、低血糖を含め低栄養は創傷治癒に悪影響を与えるが、0mg/dL 以外のlow glucoseにおいてもSORT1の遺伝子発現量は100mg/dL のSORT1の遺伝子発現量と有意差がなかった。すなわち生命活動を維持できるレベルの糖濃度であればhigh glucose と同様にlow glucoseにおいても表皮細胞のSORT1の遺伝子発現量は臨床において問題はないことが示唆された。
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Research Products
(2 results)