2011 Fiscal Year Research-status Report
慢性創傷での再上皮化促進のための再生医療の確立―再上皮化機序に基づいて―
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23592661
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
久保 美代子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00098609)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医学 / 培養表皮 |
Research Abstract |
平成23年度は,β3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイトを作製した.すなわち,レトロウイルスベクター法によりβ3インテグリン・サブユニットcDNAを正常ヒトケラチノサイトに導入した.具体的には,高力価β3-組み換えレトロウイルスのproducer cells (米国ですでにクローニングをし,凍結保存してある) を培養し,その上清中のβ3-組み換えレトロウイルスを正常ヒトケラチノサイト(Cascade社)に感染させた.培地はKBM-Gold基礎培地 + 増殖因子(Lonza社)を用いた.Subconfluentの状態で同ケラチノサイトを凍結保存した.凍結保存したケラチノサイトを培養して,αvβ3の蛋白発現を蛍光抗体法ならびにFACSにより確認した後,cell sortingによりαvβ3発現陽性細胞のenrichmentを行った.そしてそれらをさらに増殖させた後,再び凍結保存した.αvβ3発現陽性率は89-94%であった.コントロール細胞として,同様方法によりβ-galactosidase cDNA導入ヒトケラチノサイトを作製した.平成24年度以降に行うin vitro ならびにin vivoの実験に必要な細胞数をストックした. また,in vitroの三次元培養系(コラーゲンゲル,フィブリンゲル)でのβ3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイトの諸細胞機能(接着,移動,増殖)に与えるフィブロネクチン(FN)の効果検索の予備実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の年度末での退職にともない,実験予定がやや遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は再生医療の三大要素について,とくにFN,β3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイト,bFGF,platelet rich plasma (PRP)に焦点をあてて,それらの単独あるいは併用投与により,in vitroでの三次元培養系(コラーゲンゲル,フィブリンゲル)でβ3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイトの諸細胞機能(接着,移動,増殖)に与える効果を検索する. 平成25年度は動物実験によりin vivoでのそれらの再上皮化促進効果とβ3インテグリン組み換え型培養表皮の生着率向上効果を調べる. 上記の研究計画を遂行するために,研究分担者を加えるあるいは研究補助者を雇用することを考慮する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は再生医療の三大要素について,とくにFN,β3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイト,bFGF,PRPに焦点をあてて,それらの単独あるいは併用投与により,in vitroでの三次元培養系(コラーゲンゲル,フィブリンゲル)でβ3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイトの諸細胞機能(接着,移動,増殖)に与える効果を検索する. これらの実験に必要な消耗品,研究補助者の謝金,成果発表のための旅費に使用する.
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