2013 Fiscal Year Annual Research Report
慢性創傷での再上皮化促進のための再生医療の確立―再上皮化機序に基づいて―
Project/Area Number |
23592661
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保 美代子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (00098609)
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Keywords | 再生医学 / 培養表皮 / 再上皮化 / フィブリン |
Research Abstract |
平成25年度は, フィブリンゲル培養系で諸細胞機能を検索した. 1. beta3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイト(コントロールとしてbeta-galactosidase cDNA 導入ヒトケラチノサイト, 正常ヒトケラチノサイト)の諸細胞機能(接着,増殖)を比較した.96 well plateの各well にフィブロネクチン(FN)除去フィブリノーゲン(FG)溶液 (3mg/ml)を加え, さらに種々の濃度のトロンビン (0.01, 0.1, 1 , 10 U/ml)を加えて, フィブリン(FB)を作製した. FBゲル上に10,000個の上記細胞を播種し,無血清低Ca 培地で培養した.1時間の細胞接着アッセイならびに5日間の細胞増殖アッセイにおいて, beta3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイトはコントロールに比べて有意に細胞接着と細胞増殖が増加した. 2. FN除去FG (3mg/ml)と種々の濃度のトロンビン混合による上記細胞の細胞増殖への影響を調べた. FN除去FGの濃度は3 mg/mlに固定し, 種々の濃度のトロンビン (0.05, 0.09, 0.18, 0.36, 0.75. 1.5, 3, 6, 12, 24, 48, 96 U/ml)を加えて, FBを作製した. 同FBゲル上に10,000個のbeta3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイト(コントロールとして正常ヒトケラチノサイト)を播種し, KGM-Gold培地で5日間培養した.その結果, beta3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイトと正常ヒトケラチノサイトの細胞増殖はトロンビンの濃度に依存性であり, 6 U/mlトロンビン使用のFBゲルでピークとなるベル型の細胞増殖曲線を示した. また, すべてのFBゲルで, beta3インテグリン遺伝子導入ヒトケラチノサイトの細胞増殖はコントロールに比べて有意に増加した.
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