2011 Fiscal Year Research-status Report
血清・喀痰中のExosomal miRNAを用いたARDSの新規診断・治療戦略
Project/Area Number |
23592671
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鷺島 克之 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (40336235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 順弘 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (30195341)
蒲原 英伸 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (90398222)
廣佐古 進 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (70432995)
境 恵祐 熊本大学, 生命科学研究部, 特任助教 (10433038)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ARDS / microRNA / Exosome / SIRS |
Research Abstract |
過度の侵襲によって誘導された高サイトカイン血症により全身性の炎症反応(SIRS)が惹起される。この間、肺組織では肺胞上皮細胞や血管内皮細胞が障害され血管透過性が亢進による。その結果、肺水腫による低酸素を主徴候としたARDSを併発する。alveolar microenvironmentでは、免疫担当細胞、肺胞上皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞などからExosomeが産生され、また取り込まれる。Exosomeの中にはmicroRNAの他、核酸、蛋白が存在するため、複雑に細胞間相互の情報伝達が行われている可能性がある。この病態の解明のため、 患者献体として収集しやすい血清や痰に着眼し、その中に安定して存在するExosomal microRNAをに明らかにする。現在、患者の血清と分離痰を採取しているところである。Exosomeの確実な分離のために、ExoQuick Exosome Precipitation Solution(SBI)を用いて回収し、そのpurityについて電顕及び電気泳動(Bioanalyzer)にて確認し、サイズが50-100nmであること、回収された核酸が30-50 merのsmall RNAであることを確認した。さらに、exosomeに特異的に発現するCD63についてWestern Blottingにて確認した。次にexosome中のmiRNAの分離(mirVana miRNA isolation kit)とその発現検証をReal time PCRで行った。炎症反応が強い血清から、miR-21の発現が亢進していることが分かった。今後、ARDSの患者の血清と痰をさらに回収し、exosomeを分離するとともに、新たなmicroRNAを同定するために、DNA chip等も検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
救急・集中治療領域においてARDSを呈した患者検体を採取しているが、まだ少ない。また、exosome分離法は、キットを主に使用しているが、再現性の確認など、条件設定にやや時間を要してしまった。今後は大量の分離・解析ができるものと思っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、健常者とARDSの患者からの血液と痰を採取していく。特に、痰のexosomeとmicroRNAのpurityについてさらに検証していく。microRNAの発現を網羅的に解析するため、microRNAのmicroarrayを行い、ARDSに特異的なmicroRNAの同定を試みる。また、臨床data baseとmicroRNAの発現を検証し、診断・治療の標的とされうるmicroRNAを明らかにする。標的microRNAの標的遺伝子および機能解析をin-vitroの細胞株で、gain or loss of functionの系で明らかにしていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
血液・気管支液からexosomeを分離抽出するための試薬購入。microRNAの分離、RT-PCRによるmicroRNAの測定に関する試薬・キット購入。ARDSに関連したmicroRNA同定のための試薬・キット・array委託等にかかる費用。細胞培養にかかり消耗品の購入。microRNAの機能解析のための試薬・キット購入。Stable cell lineを作製するための試薬・キット購入。研究成果の学会発表および情報収集のたまの学会参加にかかる費用。臨床データベースの整理と統計解析のためのコンピューターとソフト購入。次年度は以上のような内容に関して研究費を使用していく予定である。
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Research Products
(4 results)