2013 Fiscal Year Research-status Report
重症脳損傷後におけるアルツハイマー病の発症機構の解明と新規予防法の開発
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23592683
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
土肥 謙二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (20301509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
有賀 徹 昭和大学, 医学部, 教授 (40266086)
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Keywords | 神経外傷 / アルツハイマー病 / フリーラジカル / 高次脳機能障害 / 頭部外傷 |
Research Abstract |
【背景】機能水として代表的なものとしてう歯の予防として用いられている水道水フッ化物添加が知られている。今回、水素水(molecular hydrogen water: mHW)の脳損傷抑制を目的とした機能水としての効果について検討した。【方法】C57BLマウス(20-25g)を使用して実験的頭部外傷モデル(CCI model)を作製した。水素水の外傷前投与 (24h)による脳浮腫抑制効果、タウ蛋白沈着、HIF-1α, AQP-4, MMPs、CyclophilinAの発現について検討した。【結果】水素水飲水によって有意に脳浮腫は抑制されタウ蛋白沈着低下、HIF-1α, MMP-9、CyclophilinAの発現低下が観察された。AQP-4, MMP2の発現は増加していた。また、外傷によって過剰発現する多くの遺伝子発現が制御されていた。【結語】頭部外傷、脳卒中をはじめとする神経救急疾患は病院前救護、救急治療、集中治療管理、リハビリテーションなど包括的な治療によって進歩してきている。その一方で一度起こった脳損傷の治療は未だ満足できるものではない。水素水は機能水として容易に飲水することが可能であり、発症の予防とは別に発症後の神経救急疾患の脳損傷を軽減させるためのアプローチとして有効な方法の一つと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度より施設が変更となり、研究の立ち上げに時間がかかったが結果としておおむね予定通りの計画で進み論文投稿中である。しかし、いくつかの追加実験の必要性を指摘されて、現在計画中である。補助事業期間延長をH25年3月31日承認を受けた。
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Strategy for Future Research Activity |
補助事業期間延長をH25年3月31日承認を受けた。論文の査読者からの指摘を受けて頭部外傷後における血液脳関門の破綻に関わる水素水の役割について検討を行う。今年度中には学会発表と論文としての公表を尾こぬ予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
所属施設変更に伴う実験の立ち上げに時間が要したことと、論文の査読者からの指摘を受け追加実験の必要性が出たことによる。 特に血液脳関門の破綻に対する水素水の効果についての検討を行う。また、論文の英文公正費用や学会での報告に伴う出張費用、さらには投稿費用と追加実験に関わる消耗品に使用予定である。
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Research Products
(2 results)