2013 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症性多臓器不全に対する間葉系幹細胞移植療法とthymosinベータ4の応用
Project/Area Number |
23592688
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
加納 秀記 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (90340231)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 直志 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00155053)
|
Keywords | NETs / 免疫染色 |
Research Abstract |
好中球は異物を貪食して殺菌、消化するのみでなく細胞内のDNA,消化酵素などを細胞外に放出し異物を捕捉する機能を有する。neutrophil extracellular traps (NETs)と呼ばれる本機能が敗血症性ショック患者においていかなる機能を果たしているかは不明である。今年度はその点を明らかにするために敗血症患者における血中DNA,ヒストン量を測定するとともに、採取した好中球のNETs形成能を測定した。血中DNA,ヒストン量はいずれも敗血症患者で有意に増加していた。すなわち敗血症患者では血中の細菌を捕捉するため生体防御反応としてNETs形成が流血中で高頻度に生じている事が推察される。敗血症患者から採取、分離した好中球のex vivoでのNETs形成能は、PMA刺激後の大腸菌殺菌率、および画像によるNETs形成能にて確認した。大腸菌を好中球と共培養しPMA刺激後の大腸菌殺菌率を観察したところ、敗血症患者から分離した好中球の殺菌能は著しく低下していることが観察された。またDNA,ヒストン、ペロキシゾームの3重免疫染色にてNETsを共焦点レーザー顕微鏡で観察したところ敗血症患者から採取した好中球のNETs形成が有意に減弱していることが明らかになった。以上の結果よりNETs形成が敗血症患者で広範囲にわたって生じているものの、個々の好中球の反応性、NETs形成能は障害されていることがあきらかになった。NETs形成能の障害されている原因は現在のところ不明である。
|
Research Products
(2 results)