2013 Fiscal Year Annual Research Report
心虚血・再灌流時における心筋間質セロトニン動態解明と心筋細胞傷害軽減の検討
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23592691
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
秋山 剛 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (70202554)
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Keywords | 心臓 / 虚血・再灌流 / セロトニン / 5-HIAA / マイクロダイアリシス法 |
Research Abstract |
マイクロダイアリシス法を用い、心虚血・再灌流時における心筋間質セロトニン(5-HT)動態を解明した。 虚血部心筋間質5-HT濃度は、虚血後の再灌流直後に上昇し、その後回復した。薬理学的阻害剤を用いることにより、心筋組織の5-HT 再取り込み機能は、再灌流後の心筋間質5-HT濃度の回復に重要な役割を果たしており、monoamine oxidase (MAO)は、虚血・再灌流全体を通じて心筋間質5-HT濃度調節に貢献していると考えられた。 また、5-HTのMAOによる代謝物である5-HIAA (5-hydroxyindole acetic acid)動態を同時モニタリングすることに成功し、生理的条件下では、心筋間質5-HIAA濃度は心筋間質5-HT濃度より高く、逆に血中5-HIAA濃度は血中5-HT濃度より低くかった。さらに再取り込み阻害、およびMAO阻害により心筋間質5-HT濃度は上昇し、MAO阻害により心筋間質5-HIAA濃度が減少したことから、心筋組織では5-HTの再取り込み、およびMAOによる代謝が活発であると推察された。 さらに心虚血・再灌流では、虚血中に心筋間質5-HT濃度が上昇したが、再取り込みtransporterの逆向き輸送によって流出した5-HTによると推察された。一方、心筋間質5-HIAA濃度は低下したが、低酸素あるいはacidosisによってMAO activityが低下し、5-HT代謝が抑制されたためと推察された。また、再灌流後、心筋間質5-HIAA濃度は著明に上昇し、高い値を維持した。再灌流後MAO activityが回復し、5-HT代謝が活発になり、再灌流後の心筋間質5-HT濃度の低下に貢献していると考えられた。
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Research Products
(8 results)