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2012 Fiscal Year Research-status Report

光線力学療法を応用した培養細胞からの新規マイコプラズマ除去方法の開発

Research Project

Project/Area Number 23592692
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

長谷部 晃  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (90281815)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 柴田 健一郎  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50145265)
Keywordsマイコプラズマ / 光線力学療法 / aPDT
Research Abstract

マイコプラズマはヒト口腔常在性であり、基礎研究に不可欠である培養細胞を汚染することが知られている。我々は、培養細胞からのマイコプラズマ除去を、抗菌薬を用いずに光線力学療法(Photodynamic therapy)を応用したanti microbial photodynamic therapy (aPDT)で行う方法の開発をしている。
我々は、口腔常在マイコプラズマのひとつであるMycoplasma salivarium (Ms)を、ヒト胎児腎由来細胞であるHEK293に感染させ、aPDTにより除去できることを明らかにし、このことを国際的な学術雑誌(Photomedicine and Laser Surgery)に発表した。光感受性物質としてメチレンブルー、光照射器として歯科用LED照射器(光重合レジン硬化用)の改造品を使用し、マイコプラズマの検出はLonza社の検出キットならびに培養法で行った。その結果、液体培地中に存在するMsはaPDTにより完全に殺滅できることがわかった。また、aPDTはメチレンブルー100ng/ml以下でLED照射が60秒以下であればHEK293細胞の生存に影響を与えないが、それ以上では有害であること、また、細胞によってaPDTに対する感受性が異なっており、そのためMsとHEK293細胞の組合わせと同様な条件でLED照射を行っても死滅する細胞があることなどがわかった。
今後はあらゆる細胞に普遍的な効率の良いaPDTの適応方法を確立することが目的となる。そのためには、まずそれぞれの細胞に特異的な方法の確立、また普遍的な方法として、細胞障害性の低い条件を繰り返し行うことなどでマイコプラズマの除去に有効な方法を確立できるかもしれない。また、昨年の報告書に記載したとおり、マイコプラズマのPDTと腫瘍組織の形成への影響も併せて確認しているところである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

我々はこれまでに以下のようなことを明らかにしてきた。
HEK293細胞に感染させたM. salivariumを、HEK293細胞を傷害せずに色素であるメチレンブルーと歯科用LED照射器を用いて光線力学療法的に除去することが可能であるが、そのためには、あらかじめ生マイコプラズマの数を減少させるためにHEK293細胞を3回程度滅菌PBSなどで洗ってから光線力学療法を適用する必要があるということである。本研究成果の詳細を国際的な学術雑誌であるPhotomedicine and Laser Surgeryに投稿したところアクセプトされ、2013年3月号に載った。このように研究成果を論文として発表をできたことは、我々の研究がおおむね順調に進展していることを示していると言える。今のところ普遍的なマイコプラズマ除去方法に確立には至ってないが、本研究内容を論文発表することで、普遍的な除去方法の確立ために有益な情報が世界から得られ、さらに研究が進展すると期待される。さらに、細胞ごとならびにマイコプラズマごとに適切な除去方法を確立するのは可能であると考えられるので、これらのデータを積み重ねていくことで多くのマイコプラズマならびに種々の細胞に適用可能な普遍的な方法の確立が可能となると予想される。また、一度の照射で完全にマイコプラズマを除去するのではなく、細胞障害性の低い条件を繰り返し適用する方法も試す予定である。

Strategy for Future Research Activity

今後も継続して予定通りに本研究課題に取り組む。現段階においては、我々が有する種々の細胞の一部においてaPDTの影響を調べているところであるので、他の細胞株においてもaPDTの影響を調べる予定である。
また、昨年度の報告書に記載したように、種々の細胞に対する細胞障害性だけでなく、細胞障害性を示すメカニズムについても調べることで、元来PDTが利用されていた腫瘍の治療との関連性も調べていく予定である。我々の研究で、マイコプラズマは、マイコプラズマがその細胞表面に有するリポタンパク質を介して免疫系の細胞を刺激し、腫瘍の形成速度に影響を与えることがわかっている。したがってマイコプラズマ・PDT・腫瘍は互いに関係しあっており、これらの関わりについて明らかにできると思われる。
最近我々は、マイコプラズマと腫瘍細胞を用いてマウスに免疫を行った場合において、免疫を行わないマウスと比べて腫瘍の形成が遅れることなどがわかった。これらのメカニズムは、マイコプラズマの有するリポタンパク質に基づいて合成されたFSL-1による腫瘍形成抑制メカニズムと同様であると予想されるが、これらについても確認していく予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Mycoplasma Removal from Cell Culture Using Antimicrobial Photodynamic Therapy2013

    • Author(s)
      Akira Hasebe, Isao Ishikawa, Haque M. Shamsul, Makoto Ohtani, Taku Segawa, Ayumi Saeki, Naoho Tanizume, Manabu Oouchi, Yoshihide Okagami, Teruo Okano, Ken-ichiro Shibata
    • Journal Title

      Photomedicine and Laser Surgery

      Volume: 31 Pages: 125-131

    • DOI

      10.1089/pho.2012.3372.

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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