2012 Fiscal Year Research-status Report
組込み接合エレメントCTnPg1による口腔内細菌間での遺伝子伝達
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23592704
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
内藤 真理子 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20244072)
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Keywords | ゲノム / 転移性遺伝子 / CTn / 口腔細菌 / 歯周病 |
Research Abstract |
口腔病原細菌Porphyromonas gingivalis ATCC 33277株のCTnが持つaccessory遺伝子、transporter , putative Na+ driven multidrug efflux pump (PGN0081)の変異株について薬剤感受性の影響を検討した。96穴マイクロプレートによる最少発育濃度(MIC)を6種の抗生物質(levofloxacin, norfloxacin, ciprofloxacin, puromycin, テトラサイクリン、クロラムフェニコール)、2種の薬剤(EtBr, SDS)を用いて測定した。結果2倍以上のMICの変化がみられるものはなかった。PGN0081の機能についてはさらなる検討が必要であることがあきらかになった。P. gingivalisに近縁の口腔内細菌の中からCTnPg1類似のCTnの検索を行た。Prevotella intermediaの臨床分離株1株の全genome配列を決定したところ、 CTnPg1類似のCTnを見出し、CTnPi1とした。また公開されたPrev. intermedia strain17のゲノムからも一個のCTnPg1類似のCTnが見いだされた。見出した2種のCTnはそれぞれ自身の染色体ゲノムから切り出され、環状のintermediated formを形成することを確認した。この結果からPrev. intermediaにおいてもCTnPg1類似のCTnが転移活性をもつことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CTnPg1のaccessary遺伝子の変異株の薬剤感受性試験を優先して行ったので、CTnPg1転移株でのマウスへの接種による感染実験を行うことができなかった。が,H25年度に予定していた実験の一部を繰り上げて実施した。これにより本年度の実験によりP. gingivaliに近縁のPrevotella intermedia株のゲノム解析から新たに2種のCTnPg1類似のCTnを見出すことができた。またさらにこの2種が生菌中で転移活性を持つことが示唆される実験結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
CTnPg1類似CTnの検索を行う。また得られたCTnPg1類似CTnを比較することにより、本CTnの転移メカニズム、また転移起点(oriT)の同定、およびoriT開裂に関わる遺伝子の検索を行う。またCTnPg1転移株のマウスでの病原性についての実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CTnPg1 におけるoriT検索の実施、またoriT開裂遺伝子の変異株作成に欠かせない培地類の作成と嫌気培養装置の稼働に必要なガス、キャタリスト、硫化水素吸収剤の購入を予定している。また動物での感染実験のためのマウスの購入も計画している
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