2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23592710
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
天野 修 明海大学, 歯学部, 教授 (60193025)
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Keywords | メッケル軟骨 / 肝細胞増殖因子 / アポトーシス / 軟骨吸収 |
Research Abstract |
1)メッケル軟骨の成長と消失の過程において、肝細胞増殖因子HGFの下顎組織内の濃度のよって成長と吸収・消失が制御されている可能性が示唆された。従来までの成果により、(1)メッケル軟骨細胞がHGFを分泌し、また特異的受容体を発現していること、(2)HGFがメッケル軟骨細胞の増殖活性を刺激すること、が分かっていたが、さらにその結果として、器官培養系実験で、添加濃度依存的にメッケル軟骨のサイズが大きくなることが分かった。サイズの増大は(3)メッケル軟骨の間質成長を刺激して前後方向への移動性を刺激して、メッケル軟骨の前後方向の長さを増大させるが、(4)太さには影響を与えず、軟骨膜での付加成長にも寄与しない、ことがわかった。 2)HGFの阻害剤により、メッケル軟骨の成長の抑制と消失の加速が起こることが示唆された。(5)HGF阻害薬NK4の器官培養系への投与により、メッケル軟骨の長さが短くなり、(6)吸収前に見られる石灰化現象、即ちアルカリ性ホスファターゼ活性の上昇、X型コラーゲンの発現が見られた。以上の結果から、メッケル軟骨の吸収消失には、それまで豊富に存在したHGFが減少して石灰化に移行しやすくなることにより促進されることが示唆された。 また、より一般的な軟骨内骨化現象である骨端板では、脂肪酸結合蛋白陽性の軟骨吸収細胞が多数認められ、脂質代謝と軟骨吸収に関連があることが強く示唆され、同現象のメッケル軟骨での有無の検討を検討した。
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