2012 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌由来アミノ酸代謝物によるバイオフィルム形成能と病原性への影響の解明
Project/Area Number |
23592721
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
吉田 康夫 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (10315096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 文信 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50001962)
永野 恵司 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (60367620)
長谷川 義明 朝日大学, 歯学部, 講師 (70460524)
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Keywords | バイオフィルム / cyclic-di-GMP |
Research Abstract |
本年度は、細菌が産生する環状ヌクレオチドであるcyclic-di-GMPが、口腔内細菌のバイオフィルム形成能や病原性の発現にどのような影響を与えるかを検討した。cyclic-di-GMPはう蝕原因細菌であるStreptococcus mutansの野生株が形成するバイオフィルムを減少させた。Real-time定量PCRの結果、同菌の付着能と深く関わりのある不溶性グルカンの発現に関与する遺伝子である、gtfBおよびgtfCの発現量が有意に減少していることが明らかとなった。一方、水溶性グルカンの合成酵素であるGtfDをコードする遺伝子の発現量には変化を与えなかった。また、そららのグルカン合成遺伝子gtfB、gtfCおよびgtfDのすべてを不活化した変異株においても、バイオフィルムの形成が抑制されたことから、グルカン合成以外の付着に関与する分子にも影響を与えることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初には計画のなかったcyclic-di-GMPを使用した研究を行うことができているから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は歯周病細菌におけるPorphyromonas gingivalisとTreponema denticolaについてcyclic-di-GMPのバイオフィルム形成抑制効果等について件等する予定である。さらに、それらの菌の病原性にどのような影響を与えるか等も検討する。Treponema denticolaに関しては、cyclic-di-GMPを合成することが示唆されているので、合成遺伝子を不活化し、その変異株についても同様の検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、主に消耗品を含めた試薬やプラスチック用品の購入に予算を使用することになっている。最終年であるので、学会等での発表に加え、学術誌において論文発表を行う予定である。
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Research Products
(9 results)