2013 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸Eによる骨形成促進作用と骨補填材への応用に関する研究
Project/Area Number |
23592728
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮崎 達也 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (90538638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / ヘパラン硫酸 / インテグリン / オステオアクチビン / 破骨細胞 |
Research Abstract |
プロテオグリカン(PG)は骨基質にも存在し、骨芽細胞及び破骨細胞の分化を調節している。これまでに、PGの糖鎖であるグリコサミノグリカン(GAG)のうち、多硫酸化構造を有するコンドロイチン硫酸E(CS-E)が、骨芽細胞分化を促進し破骨細胞分化を抑制することを認めている。CS-Eの作用機序として、bone morphogenic proteinに加え、接着分子との相互作用が考えられた。そこで、fibronectin(FN)、vitronectin(VN)、osteoactivin(OA)、osteopontin、integrin αvβ3(αvβ3)への結合性について検討した結果、CS-E及びheparinはこれら全ての接着分子に対し親和性を示した。また、heparan sulfate(HS)はOAとFNに、CS-BはOAのみに結合し、GAGの種類により接着分子への親和性が異なることが明らかとなった。これら接着分子をリン酸カルシウムプレートに固層化して破骨細胞分化への影響について検討した結果、OA及びFNは分化(pit形成)を促進したが、VN及びαvβ3は逆に抑制した。CS-Eは、OAのαvβ3及びHSへの結合を阻害し、OAにより誘導された破骨細胞分化を抑制した。一方、OAに対する中和抗体あるいはheparinase処理により破骨細胞分化が抑制されたことから、内因性のOA及びHSも分化に関与していることが示唆された。以上の結果から、CS-Eは直接、integrin及びHSへの結合を阻害することで破骨細胞の分化を抑制していると考えられた。OAは骨芽細胞においても発現し、分化を調節していることが報告されている。今後は、骨芽細胞を用い、OA及びGAGの作用について明らかにし、骨補填材への応用について検討していく予定である。
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Research Products
(4 results)